米中対立 北京で防空対策ポスター、上海で有事訓練

2020年07月29日 14時12分

米中両軍が相次いで南シナ海で軍事演習を展開する中、中国当局は国内で開戦を匂わせる宣伝ポスターを張り出している。当局が緊張の雰囲気を作り出し、国民への統制を強めるためだとの見方が出ている。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が7月27日伝えた。

報道によれば、北京市海淀区では7月25日、空襲への警戒を呼び掛けるポスターが突如、現れた。中国人ネットユーザーが投稿した動画では、区政府の職員らがポスターを取り付ける様子が映っていた。ポスターには「警報が鳴ったら、どのように迅速に防空対策を取るのか」などが書かれ、避難措置について詳しく紹介している。多くの住民はこのポスターに不安を感じ、米空軍が北京市に対して空爆をするのではないかと推測した。

北京市海淀区では7月25日、空襲に関する予備知識や防空対策を紹介するポスターを張り出した(ネット写真)

北京市民の呉さんはRFAに対して、中国当局は、米国と開戦するかのような雰囲気を作り出しており、「市民に恐怖心を与え、愛国心を煽っている」と話した。呉さんによると、米中対立が戦争に発展しても、中国軍には勝ち目がないと多くの市民が考えている。「ただ、当局の宣伝で、市民はとても不安になっている」と言った。

政治学者の孫濱氏は、他市でも同じようなポスターを見かけたという。「中国東部の沿岸部都市で見たポスターは、空襲に関する内容のほかに、退役軍人らやその家族に対して、地元政府の管理部門に登録するよう呼びかけている。退役軍人は今後、いつでも軍隊に戻る可能性がある」。

SNS上に投稿された写真によると、四川省重慶市水雲路の居民委員会は7月24日に、地元住民に通知を送った。通知は、「地元に住む現役「国境警備や海上保安にあたる将校と兵士」の家族、特に新疆ウイグル自治区、雲南省、海南省などの国境に駐屯し、海上保安にあたる将校と兵士は必ず、地域の管理部門に登記するよう」指示した。

また、中国メディアの報道によれば、上海市松江区、長寧区は22日、「臨戦時の住民避難受け入れ行動訓練」を実施した。同市青浦区と静安区も23日、同じ訓練を行った。

孫濱氏は、実際に中国当局は、米軍が北京や上海などを空襲することを心配していないと指摘した。国内で張り詰めた緊張感を高めながら、国民への統制をさらに強めることが当局の真の狙いだ。「国民が少しでも政権を批判すれば、当局は直ちに、『米軍を支持している』とレッテルを貼ることができるからだ」と分析した。

国内ネット上では、「今の先端技術では、ピンポイントで敵側の人の斬首を行えるから、(防空対策などは)私と関係ないことだ」とコメントを投稿し、中国当局の宣伝を皮肉ったネットユーザーがいた。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の胡錫進編集長は26日、米側をけん制するために「さらに多くの核ミサイルを製造しなければならない」と、微博に投稿した。同氏は、米中両軍が今後、南シナ海や台湾海峡で「偶発的な軍事衝突が起きる可能性がある」との見方を示した。

胡編集長は今年5月にも、中国は短時間に「核弾頭の数を1000発まで拡大すべきだ。東風41型(DF-41型)大陸間弾道ミサイルの数を少なくとも100発にすべきだ」と主張した。

 独立学者の査建国氏は、「北朝鮮やイラン問題をみると、米国は、中国との全面的な軍事衝突に必ず慎重の上にも慎重を期する」と述べた。また、査氏は、北京市の防空対策ポスターについて、「当局は、最悪な事態を想定したのだろう」とした。

(翻訳編集・張哲)
 

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