中国高官の米亡命報道、ゴードン・チャン氏「事実なら共産党政権崩壊の可能性も」

2021/06/22
更新: 2021/06/22

米国の作家で中国専門家のゴードン・チャン(Gordon Chang)氏は、中国国家安全部(省)の董経緯副部長(次官級)が米国に亡命したのが事実であれば、「中国共産党政権が一夜のうちに崩壊する可能性さえある」と発言した。

米フォックスニュースなどの複数のメディアはこのほど、中国情報機関の高官が米国に亡命したと報じた。米メディアは、この高官は「史上最高位の亡命者だ」とした。これを受けて、ネット上では、亡命者は中国国家安全部の董経緯副部長だとの噂が広まった。

ゴードン・チャン氏は19日、米メディア「Newsmax」とのインタビューで、「この報道は爆弾のようなインパクトがあるため、今後様々な影響が出てくると思う。米中の国交断絶もあり得る」と述べた。

各国の情報機関に詳しい米メディア「SpyTalk」によると、董氏は今年2月中旬、カリフォルニア州の大学で就学している娘を訪ねるという目的で米国に入国した。入国した直後に米国防情報局(DIA)に連絡したという。

SpyTalkによれば、董氏がバイデン政権に提供した情報によって、バイデン政権は武漢ウイルス研究所に対する態度を変え、新型コロナウイルスの起源について改めて調査を行うと指示した。また、董氏が提供した他の情報も、驚愕するものばかりだという。「彼は、中国共産党政権に情報を提供する米国民のリスト、米国で就職し、あるいは大学で勉強する中国人スパイのリスト、米ビジネスマンと公務員が中国当局から受け取った金品の記録などを提供した」

いっぽう、中国国営新華社通信は18日、董経緯氏は同日防諜会議を主宰したと報道し、火消しを図った。ただ、記事には同氏や会議の写真はなかった。

新華社通信の報道について、チャン氏は「中国当局が関連報道や噂を恐れていることを反映した」と指摘。

同氏は「中国メディアの報道の信ぴょう性に疑問が残る」とし、「SpyTalkや他の(米)メディアは詳しく報道し、私たちが知っている事と一致する部分がある。したがって、私は、(董氏の)亡命は本当のことだと考える」と話した。

また、チャン氏は、董氏が米連邦捜査局(FBI)などではなく、DIAに連絡したという報道に注目した。

「中国当局のスパイと情報部員は、(米国内の)至る所にいる。私は、米複数の政府機関がすでに中国当局に浸透されたという報告書は信用できると言わざるを得ない。実際に、米国の州レベルの政府も同様に浸透された」

チャン氏は、次官級の董経緯氏は習近平国家主席と近い関係にあるため、「習氏から大量の情報を得ることができる。(同氏の亡命で)中国の政治体制が崩壊する可能性がある」とした。中国共産党内から、董氏の亡命をめぐって習近平氏の責任を追及する声が上がる可能性があり、「極めて短い期間に新しい指導者が現れれば、中国の政局が混乱し不安定になる」。

トランプ前政権で、新型コロナウイルスの実験室漏えい説の調査に関わった米政府の元高官は、英紙テレグラフ(21日付)に対して、同ウイルスの起源を解明するのに、中国当局の高官を欧米各国に亡命させることが「唯一の方法だ」と認識を示した。

元高官は、中国当局の亡命者に資金や市民権を与えることを提案した。ウイルスの起源を解明するには、「われわれは証言を必要としている。直接的な証人である中国人からの証言が必要だ」とした。同氏は、「中国では、人々は職務上の過失が理由で処刑されることがある」と強調した。

(翻訳編集・張哲)
 

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