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高市総理 能登地震・豪雨の被災地視察 「活気ある街並み回復は国家の責務」

2025/12/08
更新: 2025/12/08

高市総理は、令和7年12月7日、令和6年能登半島地震及び豪雨被害からの復旧・復興にかかる現地視察のため石川県を訪問した。総理は、現地で被害の甚大さを確認し、復旧・復興への強い決意を改めて示した。

今回の視察の目的は、令和6年能登半島地震と奥能登豪雨による被害の甚大さと復旧・復興の状況を確認することにあった。

黙祷をする高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

総理の行程は、輪島市の能登空港での献花と黙とうから始まった。その後、珠洲市大谷町の土砂災害現場を視察し、同市内の応急仮設住宅を訪問した。

土石流現場を視察する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)
仮設住宅を視察する高市総理1(出典:首相官邸ウェブサイト)
仮設住宅を視察する高市総理2(出典:首相官邸ウェブサイト)

午後は、輪島市の朝市通りの地震火災現場を視察し、穴水町のあなみずスマイルマルシェを訪れて意見交換を行った。

朝市の地震火災現場を視察する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)
あなみずスマイルマルシェを訪問する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

続いて七尾市の和倉温泉を視察した後、馳浩知事から要望書を受け取り、会見に臨んだ。

和倉温泉を視察する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)
馳浩知事から要望書を受け取る高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

会見の冒頭、総理は能登半島地震・奥能登豪雨で亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、全ての被災者にお見舞いを述べた。

視察の印象と復興への強い決意

高市総理は、各地を回る中で、被害の甚大さとともに復旧・復興が着実に進んでいることも確認したと述べた。

総理は、自身が被災者の方々から「体に気をつけてね」「頑張ってね」といった励ましを受け、むしろ元気をいただいたと語った。特に、珠洲市立大谷小中学校の生徒たちが「後悔せずに生きる」「いつも頑張っててすごい。私も、あなたも」「大丈夫、今すごいことをしているから」といったメッセージを添えたキーホルダーやチャームを作り、能登復興へ全額寄附している姿に感動し、前向きに頑張る被災地を全国で応援してほしいと呼びかけた。

会見を行う高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

総理は、今なお不自由な生活を強いられている人々に対し、「被災前の活気ある街並みを取り戻すことが、国家の責務である」との強い思いを表明した。馳知事から受け取った要望書に対し、一つでも多く応えられるよう努め、インフラ復旧、生活と生業(なりわい)の再建などを重点とし、県・市・町・関係省庁と緊密に連携を図りながら課題解決に取り組む考えを示している。

会見で示された今後の予測と課題解決策

会見では、特に観光復興支援と人材確保について具体的な対応方針が示された。

観光復興支援(和倉温泉など)

高市総理は和倉温泉をはじめとする観光事業者の復興が道半ばである現状を踏まえ、被災した旅館などの再建支援の重要性を強調した。被害の実態に応じ、なりわい再建支援補助金による施設等の復旧支援に加え、債権買取などの金融支援も行っている。さらに、大規模な旅館を抱える中堅企業等の大型施設の建て替えに活用できる補助金については、被害が大きく影響が長期化している6つの市・町の案件に対し、特別に加点する措置を検討しているとした。

人材確保(技術系職員不足)

総理は復旧・復興を支える人材、特に技術系職員の確保が大変重要であるとし、このため、「復旧・復興支援技術職員派遣制度」も活用しながら、全国の地方公共団体から被災された市・町へ職員派遣を行っているとし、引き続き、市・町の実情を丁寧に伺いながら職員派遣に取り組み、創造的復興を全力で支援していく方針だと述べた。

防災体制の抜本的強化

高市総理は、今後の防災体制の強化として、防災庁の設置を目指す方針をあらためて明らかにした。政府は、令和8年度中に設置すべく、次期通常国会に関連法案の提出を目指して具体的な検討を進めている。

この新しい組織は、現在の内閣府の防災担当を発展的に改組し、我が国の防災全体を俯瞰的に捉えるとともに、徹底した事前防災と、発災後から復旧・復興までの一貫した政府全体の司令塔機能を担う体制とする考えだ。

今回の視察を通じて総理が示したのは、現地の課題やフェーズごとの被災自治体のニーズに沿った創造的復興を、国家が総力を挙げて支援していくという強い決意である。これは、単なる復旧にとどまらず、将来を見据えた防災・復興の機能を抜本的に強化する方向性を示唆していると言える。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。