名古屋大学医学部附属病院(以下、名大付属病院)は、小児外科で健康な腎臓の誤摘出や手術中死亡など重大な医療事故が相次いだことを受け、小児外科の手術を当面停止した。 再開時期は現時点で未定だという。
病院は患者の安全と倫理的手続きに重大な懸念があるとして、外部専門家を含む調査委員会の検証と体制見直しを進める方針だ。
2023年、名大付属病院では小児外科で内視鏡手術中に患者の健康な腎臓1つを誤って摘出する事故が発生した。
同病院は調査委員の過半数を外部の専門家で構成した事例調査委員会を立ち上げ調査を行い、2025年に終了となり、調査報告書に基づき必要な改善措置を実施していたという。
しかし2025年には、同じく内視鏡手術中に患児が心停止となり、そのまま死亡する事例が起きた。改善措置の実施後であるかどうかは不明だ。
2025年12月には、医師が薬剤の効能を誤認したまま手術で使用していた事例も判明しており、複数の医療事故が発生していた。
名大付属病院は、こうした複数の事故と薬剤使用の問題により、小児外科の患者安全と倫理的手続きに「重大な懸念」があると判断し、現在患者への影響を含めた事実関係の確認を進めている。
停止期間中の手術は原則として他院に転院した上で行い、名大でしか実施困難な高度症例については、患者や家族に状況を説明したうえで例外的に実施するとしている。
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