報復措置効果は限定的か 中国旧正月の連休期間 中国人の日本のホテル予約が急増

2025/12/31
更新: 2025/12/31

日中関係が緊張する中でも、中国本土からの旅行者による日本のホテル予約は、旧正月の連休期間に急増している。

『日経アジア』が30日に報じたところによると、宿泊予約管理プラットフォーム「Tripla」のデータでは、2026年2月15日から23日までの期間における中国からの予約件数は、前回の旧正月の休暇(2025年1月28日~2月4日)と比べて57%増加した。このデータは、日本国内1727軒のホテルを対象としている。

また、日経が日本のホテル運営会社10社を対象に実施した調査では、12月15日時点の旧正月の連休期間の予約状況について、3社が「予約が増加した」と回答した。パレスホテルは、予約数が前年同期の2倍に増えたとしている。一方、5社は「大きな変化はない」と回答した。

残る2社、東急ホテルズ&リゾーツと帝国ホテルは、予約数が約10%減少したと明らかにした。

調査対象となった10社のうち5社は、平均客室単価が上昇したと報告している。Triplaの予測では、連休期間中の平均宿泊単価は2万2004円に達し、前年同期比で21%上昇する見込みだという。

中国個人旅行客が流入 中共の報復措置の影響は限定的

高市早苗首相が11月、台湾で突発的事態が発生する可能性について発言した後、中国共産党(中共)政府は、中国国民に対し日本への渡航を控えるよう呼びかけた。

しかし報道によれば、分析関係者の一部は、中国からの個人旅行客(FIT)が増加しているため、今回の中共による報復措置の影響は限定的だとみている。旅行会社が手配する団体旅行と比べ、個人旅行客は政府方針の影響を受けにくいためだ。

世界的な不動産サービス会社CBRE(世邦魏理仕)の報告によると、日本を訪れる中国人観光客のうち、団体旅行の割合は、かつては全体の約50%を占めていたが、現在は15.6%まで低下している。これは、日本の観光市場が外交関係の変化に対して、より高い適応力を備えつつあることを示している。

北京が国民に対し日本渡航を控えるよう求めたことで、通常は団体旅行客を多く受け入れている日本のホテルには不透明感が漂っているものの、連休期間中は直前予約が多く入る傾向があるという。

阪急阪神ホテルズの担当者は日経に対し、中国人観光客の訪日動向について「現時点で結論を出すのは時期尚早だ」と述べ、他のホテルと同様、慎重に状況を見守る姿勢を示した。

林燕