張又侠の拘束場所が判明か 蔡奇が現地で直接指揮との情報

2026/02/02
更新: 2026/02/02

先日、元上海の実業家である胡力任氏が、北京の当局者からの情報として、中国共産党(中共)中央軍事委員会の元副主席である張又侠(ちょう・ゆうきょう)が、現在、河北省廊坊市固安にある中央警衛局の閉鎖的な基地に拘束されており、蔡奇(さい・き)がその審査と処分を統括していると明らかにした。この説は当局によって公式に確認されたものではないが、現在の共産党上層部の権力運用と軍内部の粛清に対する外部の関心を強く引き起こしている。

胡力任:張又侠は北京南部の警衛局基地に拘束

胡力任氏は2月1日、大紀元の取材に対し、得られた情報は現在も現職にある北京の高官からのものであると語った。その官僚は、張又侠は拘束後、北京の都心部ではなく、北京の真南に位置する河北省廊坊市固安一帯の中央警衛局訓練・閉鎖施設に移送されたと明言した。

公開資料によると、河北省廊坊市固安県は、北は永定河を挟んで北京市と向かい合っている。北京の天安門からは50キロ、北京大興国際空港からは8キロの距離にある。
胡氏の分析によれば、北京中心部は土地と安全保障上のリソースが極めて逼迫しているため、中央警衛局は何年も前から訓練、審査、拘束といった機能の一部を廊坊・固安ラインへと外郭化させてきた。これらの施設は交通の便が良く、管理が厳重であり、中南海との迅速な連携を維持しつつ外部の視線を遮断できるため、「高度に敏感な対象」を扱うのに適している。

伝えられるところによれば、張又侠は現在、完全に隔離された状態にあり、外部との接触は不可能だ。70代という高齢を考慮すると、拘束後の高強度な尋問により、身体的・精神的な双方で顕著な圧力を受けているという。
さらに胡氏は、張又侠事件において蔡奇が鍵となる役割を果たしていると暴露した。情報筋によれば、蔡奇は最近、北京中心部のオフィスに戻ることなく、当該基地に直接駐在し、自ら張又侠の審査と処分工作を統括している。
当局者は、本件が極めて高い階層に及び、蔡奇本人しか把握していない内情が多く含まれるため、彼が主導することは意外ではないと指摘している。

また、胡氏は情報筋の話として、張又侠の連行と尋問の過程では軍、警衛、党の紀律検査など複数の系統が協同し、極めて慎重に手配されたと述べた。
胡氏は以前にも自身のSNS動画でこの件を明かしており、記者に対し、この情報の信憑性は「100%とは言えないが、少なくとも90%以上はある」と語った。
その理由として、情報提供者である北京の高官とは長年の私的な親交があり、相手が依然として現職の高位にあること、また提供された具体的な場所、人員の役割分担、行動の細部が完結しており、信憑性が比較的高いことを挙げた。
胡氏はさらに、その官僚の言葉を引用し、廊坊・固安基地から中央警衛局専用のルートを通って中南海へ向かうと車で約1時間であり、突発的な事態への対応も極めて容易であると述べた。蔡奇本人はその場所に宿舎を持っており、関連業務に随時対応できるよう、最近はそこに直接居住しているという。
大紀元は、上記情報の真偽を確認できていない。

現時点で、当局は張又侠の具体的な拘束場所、身体状況、審査の手配について一切の公表を行っていない。胡氏による今回の暴露は、共産党上層部の権力闘争や軍内の大規模な粛清、さらにはその冷徹な執行プロセスに対する外部の関心を一段と高めるとともに、現在の政治環境における情報の不透明さを改めて浮き彫りにしている。

権力闘争の再燃か 蔡奇は極めて敏感な立場に

2月1日、胡力任氏は自身の番組で、習近平を核心とする権力構造が深刻な調整を経ており、今後はより激しい内部の揺らぎが生じる可能性があるとの見解を示した。
同氏は特に、蔡奇が中央弁公庁主任として中枢の運営を長期にわたり掌握し、習近平の生活、行程、意思決定プロセスを熟知していることに注目した。習近平の個人的な状況を最も包括的に把握している官僚の一人であり、彼が持つ行政資源、警衛システム、中枢の調整能力は、現在の権力構造において蔡奇を極めて敏感な立場に置いている。
胡氏は、張又侠事件は終着点ではなく、より深い権力再編の前奏曲である可能性が高いと警告した。確かなのは、現在の上層部の権力構造が極めて不安定な状態にあり、各勢力の攻防が日増しに激化していることだ。

軍機関紙の論評が物語る「軍内部の動揺」 習と張の根深い対立

中国国防部が1月24日に張又侠と劉振立の失脚を発表した後、軍の機関紙『解放軍報』は社説を掲載し、2人の行為を「軍委主席責任制を深刻に踏みにじり破壊した」など、5つの「深刻」という言葉を用いて厳しく断じた。
1月31日、軍報は再び一面で記事を掲載し、張又侠と劉振立の調査・処分が「毒の根源を取り除く」上で重要な意義を持つと強調し、「全軍の将兵は党中央の決定を断固として支持しなければならない」と呼びかけた。外部の分析では、事件発生から数日が経過しても軍報が連続して批判文を掲載せざるを得ない状況こそが、軍内部の動揺を反映していると見られている。
軍内部に詳しい沈建輝(仮名)氏は以前、大紀元に対し、張又侠と習近平の矛盾は以前から存在しており、パンデミック期間中に習近平に対する軍上層部の不満がピークに達したと明かした。

情報筋によれば、張又侠ら軍事委員会の上層部や多くの現役・退役軍人は、習近平が危険を避けて最前線に立とうとしない姿勢を密かに批判していた。彼らは習を「自分の命を惜しむ臆病者」と冷ややかに見なす一方で、その習が権力の座に居座り続けようとしていることに強い不満を抱いていた。

さらに核心的な矛盾は台湾問題に集中している。張又侠および軍内の多くの高級将校は、武力による台湾統一に反対しているという。この情報筋は、習近平が武力統一を推進する動機は、個人の権力を強固にすることにあると考えている。習は、もし権力を失えば政敵から過酷な報復(政治的清算)を受けることを恐れている。そのため、台湾統一という「歴史的な大業」を成し遂げることで、自らがトップに居座り続けるための絶対的な口実を手に入れようとしているのだという。

岳緣