令和8年2月20日、再任された小泉防衛大臣は防衛省で閣議後会見を行い、高市総理からの新たな指示と今後の防衛政策の方針について説明した。小泉大臣は「国民の命と平和な暮らしを守り抜くこと」を自らに課せられた至上命題とし、全国25万人の自衛隊員の先頭に立って職務に邁進する決意を語った。
高市総理の指示と小泉大臣の抱負
小泉大臣によれば、高市総理からは「戦略三文書」や「防衛装備移転三原則運用指針」の見直し、日英伊での次期戦闘機の共同開発の確実な推進、同志国への輸出(製品・サービス・インフラ)を増やすための交流などについて指示があった。 これを受け小泉大臣は、今年中の戦略三文書の前倒し改定や、自衛隊創設以来約70年で初となる自衛官俸給表の令和9年度中の独自改定への着手など、我が国の安全保障上極めて重要かつ歴史的な課題にスピード感をもって取り組む考えを示した。また、これらの取り組みには国民の理解が不可欠であるとし、積極的な情報発信に努めると述べた。
「戦略三文書」の概要
戦略三文書とは、2022年(令和4年)12月16日に政府が策定した、国の安全保障に関する戦略文書の総称である。具体的には以下の3つから構成される。
国家安全保障戦略
外交・防衛分野に加え、経済安全保障や技術なども含む政府の分野横断的な対応を示す最上位の政策文書。
国家防衛戦略
日本を防衛するための目標やアプローチを示し、反撃能力の保有を含めた防衛力の抜本的強化の方針を定めた文書。
防衛力整備計画
おおむね10年後の自衛隊の体制や、5年間で43兆円程度という防衛予算の規模、整備する主な装備品の内容などを示した文書。
改定に至る背景と経緯
三文書の改定が急がれる背景には、策定から数年が経過する中で、我が国を取り巻く安全保障環境がかつてないほど急速かつ複雑に変化しているという現状がある。インド太平洋地域では中国や北朝鮮の軍事力増強、中露の連携強化、露朝の接近などが顕著になっている。さらに、ウクライナ侵略の教訓から、無人機の大量運用をはじめとする「新しい戦い方」の顕在化や、長期戦に耐えうる継戦能力の確保といった新たな課題への対応が急務となった。
こうした状況を踏まえ、前年(令和7年)10月24日の所信表明演説において、高市総理は国家安全保障戦略に定める「対GDP比2%水準」を前倒しで措置することと、三文書の改定を目指し検討を開始することを表明した。防衛省は同日、総理の方針を受けて従来の「防衛力抜本的強化実現推進本部」を改組し、新たに「防衛力変革推進本部」を立ち上げた。以降、同本部において、これまでにないスピード感で防衛力の抜本的強化や戦略三文書の改定に向けた議論が進められてきた経緯がある。
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