最近、香港政府は1500億香港ドル(約2兆9922億円)の外為基金をインフラ事業に充てると発表した。これについて一部分析は、香港財政に余力がなく外為基金という外貨準備の取り崩しに踏み切ったことを示しており、中国共産党トップの習近平がインフラ事業を通じて香港を「空洞化」させているとの見方があると指摘した。
香港財政司司長(財務長官に相当)の陳茂波は25日「2026/27年度財政予算案」を公表し、外為基金から1500億香港ドルを北部都会区およびその他のインフラ事業の支援に振り向けると明らかにした。香港政府が外為基金を動用するのは42年ぶりとなる。
さらに香港政府は、北部都会区のインフラ整備やその他公共事業の加速を目的として、グリーン債券とインフラ債券の両計画の借入上限を合計9千億香港ドル(約17兆9532億円)に引き上げる方針も示した。
香港による外為基金動用について、財経系インフルエンサーの小翠氏は自らの番組で、外為基金は香港の「家底」(蓄え)であり、香港政府が北部の大型インフラに1500億香港ドルを投入したことは、香港財政に資金余力がない現状を示していると述べた。
小翠氏は、香港ドルは米ドルに連動するペッグ制であり、この制度維持のため一定の蓄えが必要で、それが外為基金であると説明した。外為基金は為替ショックを防ぐ最後の防衛線であり、1984年以降一度も取り崩してこなかったが、今回の動用は香港ドルが米ドルとの連動を維持する意思が弱まったとのシグナルを市場に与えたと指摘した。
小翠氏は、1500億香港ドルは規模として大きくはなく香港ドルの安定を直ちに揺るがすものではないとしつつも、この措置は香港当局が香港ドルの安定や米ドルとの連動維持、市場の信認を以前ほど重視していないとの印象を外部に与え「香港ドルは本当にカウントダウンに入った」との見方を示した。
また小翠氏は、香港政府が資金を緊急救済ではなくインフラに充てている点に言及し、インフラ投資は中国共産党政府への資金供与と広く認識されていると説明したうえで、習近平が香港の最後の蓄えを取り崩している危険なシグナルだと指摘した。
小翠は「私は香港が実際に香港ドルと米ドルのデカップリング(連動解消)に向かうシグナルだと考える。別の解釈はなく、香港当局は香港ドルより商業ビル建設を重視している」と述べた。
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