トランプ政権のイラン軍事攻撃 中共上層部に心理的衝撃

2026/03/03
更新: 2026/03/03

アメリカとイスラエルは2月28日、イランに対し「壮絶な怒り作戦」と称する大規模攻撃を実施した。トランプ大統領は声明で、「イランが核兵器を保有することは決して許されないという極めて単純なメッセージを送るものだ」と強調。さらにイラン国民に向けて「自由を手にする時がまもなく訪れる」「これは何世代にも一度の機会かもしれない」と呼びかけた。

トランプ氏は「アメリカは圧倒的な力と破壊的打撃であなた方を支援している。今こそ自らの運命を掌握し、手の届く繁栄と輝かしい未来を切り開く時だ。行動は一刻を争う」と語りかけ、作戦の終了後には「あなた方が自らの政府を引き継ぐことを望む」と語った。この発言はイラン・イスラム体制の転換を示唆する内容と受け止められている。

同日、ベッセント米財務長官はXに投稿し、「アメリカ財務省はトランプ大統領の『最大限の圧力』政策へのコミットメントを再確認する」と述べ、「イランから流出するあらゆる違法資金を追跡し、イラン国民のためにそれを取り戻す」と表明した。

ベッセント氏は先月5日に開かれたアメリカ上院の公聴会でも「イラン指導部が資金を国外へ狂ったように移している」と述べ、「ネズミが船から逃げ出している兆候だ。体制の終末が近い可能性を示す好材料だ」と語っていた。

今回の軍事行動は、従来の限定的打撃とは異なり、イランの体制転換を明確に視野に入れている点が最大の特徴とみられる。この点が、中国共産党(中共)にとって強い警戒材料となっている。

トランプ氏がこの決断に至るまでの道のりは平坦ではなかった。今年1月3日、アメリカ軍がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した事件が国際社会に衝撃を与えた。この件がイラン国内にも影響を与え、大規模な抗議デモに対し当局は流血を伴う鎮圧と通信遮断で対応。即時軍事介入を求める声もあったが、トランプ氏は直接介入を避け、交渉と軍事的圧力を併用する道を選択した。歴史に「平和を志向する大統領」として名を残したい意向が背景にあった。

一方で、イラク戦争の再来を懸念する声も根強かった。ホワイトハウス内でも議論が行われ、イランとの対決はマドゥロ拘束以上に困難との認識が共有される一方、交渉の成功には悲観的な見方が広がっていた。

先月26日、ヴァンス副大統領は米紙ワシントン・ポストの取材に対し、「終わりの見えない中東戦争に陥ることは決してない」と自信を示しつつ、「過去の教訓に過剰反応してはならない。慎重であるべきだが、大統領はすでに慎重に行動している」と述べた。

転機は2月27日に訪れた。前日のスイスのジュネーブでの米イラン協議は合意に至らず、トランプ氏はホワイトハウスを出る際、「武力行使は望まないが、時に必要となる」と発言。「最終決定はまだだ。本日中に追加協議を行う」と語っていた。その翌日、アメリカ・イスラエルは共同で大規模攻撃に踏み切った。

今回の決断は、中共上層部にとって計り知れない心理的打撃とみられる。中共は自らの「正統性」確保に関して敏感であり、各国に「唯一の合法政府」としての承認を求めてきた。トランプ氏は第1期政権で対中政策を大きく転換し、2020年には「新冷戦」とも称される対立構図を鮮明にした。再登板後は、中央情報局(CIA)による異例の「公開募集」や国務省によるインターネット規制突破支援構想などを通じ、体制の安定性と正統性に公然と挑戦している。

中共はロシアやイラン、ベネズエラなどと連携を強めてきたが、トランプ政権は巧みな戦略でこれらの結束を切り崩していると見られる。

ロシア・ウクライナ戦争の終結仲介により米中露の三角関係の再編が進み、ベネズエラではマドゥロ拘束で政局が動揺。キューバにも圧力を強め、ベトナムはアメリカ接近を鮮明にしている。2月20日にはベトナム国家主席のトー・ラム氏が就任後初の訪問先にワシントンを選び、14日にはアメリカの実業家イーロン・マスク氏の衛星通信「スターリンク」に営業許可を与えた。

こうした流れの中での対イラン軍事行動は、単発の作戦ではなく、中共を孤立化させる戦略の一環との見方が広がる。こうした状況に対し、中共は「高度な関心」を表明し、軍事行動の即時停止と緊張緩和を呼びかけるにとどまっている。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
王赫