ドナルド・トランプ米大統領は14日、北京で中国共産党(中共)の習近平党首との2日間にわたる首脳会談を開始した。両国間には現在、重大な緊張関係が続いている。
両首脳はまず天安門広場近くで歓迎式典に臨み、続いて人民大会堂で二国間会談を行った。会談では継続中の貿易摩擦が主要な議題となる見通しだ。
会談冒頭、トランプ大統領は歓迎式典、とりわけ参加した子どもたちを称えた。
「われわれは素晴らしい未来を築いていくことになる」とトランプ大統領は述べた。
トランプ習両氏はそれぞれの代表団とともに大きなテーブルを挟んで向かい合う形で着席した。トランプ大統領の左にはマルコ・ルビオ国務長官、右にはデビッド・パーデュー駐中国大使が座った。
トランプ大統領はまた、今回の訪問に同行した米国経済界の代表団についても称賛し「世界最高の経営者たち」と表現した。
「彼らは貿易とビジネスを切望しており、われわれとして完全な相互主義のもとで実現させる。この会談を本当に楽しみにしている」とトランプ大統領は語った。
習近平は会談の場で、2026年が「米中関係の新たな章」の幕開けとなることへの期待を表明した。
冒頭発言の後、報道陣は速やかに退出を求められ、両首脳に質問する機会は与えられなかった。
今回の貿易戦争は2025年初頭、トランプ大統領が中国製品に対し既存の関税に加えて34%の追加関税を含む相互関税の新設を発表したことに端を発する。中国側もこれに対抗して独自の関税や輸出規制措置を講じ、とりわけレアアースや磁石に対する厳格な輸出規制を実施したことで、両国間の報復合戦へと発展した。
2025年4月10日までに米国の対中関税は145%に達したが、翌月に米中が一時休戦に合意し、新たな関税の大半が停止された。
2025年10月下旬には、トランプ大統領と習近平が韓国・釜山で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の場で会談し、休戦を1年間延長することで合意した。また習近平はレアアースおよびクリティカルミネラルに関する輸出規制・許可制度を一時停止することにも同意し、米国および世界市場への供給を維持することとなった。トランプ政権高官によれば、この合意は10月まで有効であり、その延長が今回の首脳会談の議題となる可能性があるという。
トランプ大統領が北京に連れてきた米国の経済界代表団には、実業家のイーロン・マスク氏、エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、アップルのティム・クックCEO、ボーイングのケリー・オートバーグCEO、ブラックロックのラリー・フィンクCEO、ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン会長、カーギルのブライアン・サイクスCEO、シティのジェーン・フレイザーCEOらが名を連ねる。
2日間の首脳会談では、米国代表団が航空宇宙、農業、エネルギー分野における新たな合意と購入確約の獲得を目指している。
ホワイトハウスのアナ・ケリー報道官は10日の記者向け電話会見で「米国民は、大統領がわが国のためにさらに優れた取引をまとめてくれることを期待できる」と述べた。
二国間会談の後、トランプ大統領と習近平は天壇を視察し、その夜は国賓晩餐会に出席する予定となっている。
イラン問題
北京首脳会談は、中東での紛争が続くなかで開催されており、解決の見通しは依然として立っていない。
米政府はイランと緊密な関係を維持する中共を批判してきた。中国はイランにとって最大の原油購入国であり、主要な貿易相手国であり、長年の同盟国でもある。トランプ政権は中共に対し、イラン政権が事実上封鎖している国際的な原油輸送の要衝・ホルムズ海峡の開放に向けた米国の取り組みを支持するよう求めている。
トランプ大統領は繰り返し中共政府に対してテヘランへの圧力を求めてきたが、政府高官らによれば、これは米政府の主要な懸念事項ではないという。最大の懸念はロシアの場合と同様、中共が石油収入やひょっとすると武器供与を通じてイランを支援していることだと説明した。
大統領はイランとロシアについて、中国が両政権に提供している収入を含め、習近平と複数回にわたり話し合ってきたと、政権の高官が14日の記者向け電話会見で明らかにした。会談では「物品、部品、パーツ」のほか「武器輸出の可能性」についても取り上げられたという。
「この話し合いは続くものと思う」と同高官は語った。
出発前、トランプ大統領はイランの停戦について、わずかな生存可能性しか残されていない患者に例えた。
「今は最も弱い状態だと言えるだろう、あのゴミのような内容を読んでしまったからな」とトランプ大統領は述べ、イラン政府から送られてきた最新の提案に言及した。「最後まで読み切ることさえできなかった」
「停戦は今、かろうじて命をつないでいる状態だ」とも述べた。
台湾と人権問題も二国間会談の主要議題となる見通しだ。
「別人」のルビオ
首脳会談における重要な場面の一つが、ルビオ国務長官と、2020年に彼に制裁を科した中国共産党高官との初の対面会合だった。ルビオ長官は中共政府に対する長年の批判姿勢を理由に、中共政府から制裁対象とされた経緯がある。
ルビオ氏が国務長官に就任した後、北京は彼の名前に使われる漢字を密かに変更し、制裁が現在の国務長官とは「別のルビオ」を対象としているかのように装った。
2020年、中共政府はフロリダ州選出の上院議員在任中のルビオ氏に対して2度の制裁を発動した。新疆ウイグル自治区でのウイグル族に対するジェノサイド、香港の民主主義と法の支配の侵食、そして法輪功に対する数十年にわたる迫害など、中共による人権侵害を告発したことが理由だ。
2024年にはルビオ氏が、中共政府による法輪功学習者の臓器摘出を抑止することを目的とした法案を提出した。
5日のホワイトハウス記者会見でルビオ長官は、強制臓器摘出を含む人権侵害は引き続き政権の重要な優先事項であると述べた。
「われわれは常にこれらの問題を提起しており、それは今も変わらない」とルビオ長官は、エポックタイムズの姉妹メディアNTDからの質問に答えて語った。
「もちろん他の問題もあるが、これらの問題はわれわれの見解と議論において依然として重要な位置を占めており、適切な場で引き続き提起していく」
11日、トランプ大統領は記者団に対し、収監中のメディア経営者・黎智英(ジミー・ライ)氏と牧師・金明日(エズラ・ジン・ミンリ)氏の事案について習近平と話し合う意向を示した。
トランプ大統領の今回の訪問には、息子のエリック・トランプ氏、義娘のララ・トランプ氏のほか、ピート・ヘグセス国防長官、ジェイミーソン・グリア米国通商代表部(USTR)代表も同行している。
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