豪とフィジー 防衛同盟協定に署名 太平洋で進む対中包囲網

2026/07/07
更新: 2026/07/07

オーストラリアとフィジーは7月6日、防衛同盟協定に署名した。いずれか一方が攻撃を受けた場合、もう一方が支援することを定めた内容である。

オーストラリアのアルバニージー首相は今週、太平洋島しょ国を相次いで訪問する。中国共産党(中共)政権の太平洋地域での影響力拡大に対抗する動きとみられている。

オーストラリア首相がフィジー訪問 同盟条約に署名

同日、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と、フィジーのシティベニ・ランブカ首相は、フィジーの首都スバで新たな防衛協定「平和の海同盟(Ocean of Peace Alliance)」に署名した。これにより、フィジーはオーストラリアと正式な防衛条約を結ぶ国となった。

この条約は、いずれかの締約国に対する武力攻撃が、太平洋地域全体の平和と安全を脅かすものだと位置づけ、危機に際して共同で対応することを明記している。

フィジーが同盟条約に署名するのは今回が初めてで、オーストラリアにとっては4件目の同盟条約となる。両国が長年にわたり、地域の安全保障で協力してきた関係をさらに深めるものだ。

両国は声明で、いずれか一方に対する武力攻撃は「相互の平和と安全、および太平洋地域の安全を危険にさらす」との認識を共有していると表明した。

協定では、両国の主権、平和、安定を脅かす可能性のある安全保障上の事態が生じた場合、相手国と協議することも定めている。

近年、オーストラリアは太平洋地域での協力強化を進め、中共政権の影響力拡大を抑える取り組みを続けている。すでにパプアニューギニア、ツバル、ナウル、インドネシアなどと、安全保障、警察、防衛分野での協力協定を締結または拡大してきた。

今回のフィジーとの安全保障協定は、オーストラリア政府の太平洋戦略の一環とみられる。これにより、同国の地域における戦略的存在感はさらに高まることになる。

また、オーストラリアとフィジーは「ブバレ連合(Vuvale Union)」にも署名し、両国間の経済・安全保障協力を拡大した。アルバニージー首相は、今後10年間でこの枠組みに10億豪ドル(約1120億円)を投じると述べた。

ランブカ氏が2022年に首相に就任して以降、フィジーはオーストラリアやニュージーランドとの伝統的なパートナー関係を改めて重視している。また2025年にランブカ氏は、フィジーなど南太平洋諸国が将来的に中国軍の恒久的な駐留を認めるとの見方を否定している。

アルバニージー氏はフィジーでの日程を終えた後、7日にソロモン諸島を訪問する予定である。同国では5月に新政権が発足して以降、中共が警察や安全保障分野に関与する度合いを段階的に減らし、オーストラリアとの協力を再開する方針を示している。

アルバニージー氏は8日にオーストラリアへ戻り、ブリスベンで行われるラグビーリーグの州対抗戦に合わせて、パプアニューギニアとトンガの首脳を迎える予定である。今週の一連の太平洋島しょ国外交は、地域における中共政権の影響力に対抗する狙いがあるとみられる。

高杉