韓国最高裁 尹錫悦前大統領の懲役7年を確定  逮捕状執行妨害などで

2026/07/09
更新: 2026/07/09

韓国最高裁は7月9日、尹錫悦前大統領に対し、逮捕状執行妨害や公文書の偽造・破棄などの罪で懲役7年を言い渡した二審判決を支持し、刑が確定した。

2024年12月の戒厳令をめぐる一連の事件では、8件の関連裁判を進めている。最高裁による終審判決が出たのは今回が初めてである。

最高裁「原審に誤りなし」

最高裁は、二審判決の法解釈に誤りはないと判断した。裁判長は判決言い渡しで、「原審の判断には、論理や経験則に反して自由心証主義の限界を逸脱したり、関連法理を誤解したりした誤りはない」と述べた。

今回の判断は、憲法裁判所が2025年4月に尹氏を罷免した理由とも重なる。憲法裁は当時の非常戒厳について、法的根拠を欠き、必要な手続きも踏まれていなかったと認定していた。

裁判所は、尹氏が2024年12月3日深夜に非常戒厳を宣布する前、法律で定められた正式かつ実質的な閣議審議を行わず、閣僚らの審議権を侵害したと判定した。当時首相だった韓悳洙氏は、尹氏が内閣に共同で議論を求めたのではなく、自らの決定を「一方的に伝えただけだった」と証言していた。

大統領警護処を動員 逮捕状執行を妨害

尹氏は、職権乱用、公文書の偽造・破棄など複数の罪に問われていた。裁判所は、尹氏が2025年1月、大統領警護処を動員し、高位公職者犯罪捜査処による逮捕状執行を妨害したと結論づけた。

また、非常戒厳の手続き上の不備を隠すため、戒厳に関する公告文書を修正・破棄し、外国メディアに虚偽情報を流したとも指摘した。

この裁判は確定したものの、尹氏はなお、ほかにも重大な裁判を抱えている。

非常戒厳をめぐる「内乱罪」では、すでに終身刑の判決を受けており、現在も控訴審が続いている。

さらに、2024年に北朝鮮に向けたドローン飛行を命じ、南北間の緊張を意図的に高めることで、国内で非常戒厳を実施する正当性を作ろうとした疑いでも別件で有罪となり、懲役30年を言い渡されている。

一方、尹氏の弁護側は、ドローン飛行は非常戒厳の口実を作るためではなく、北朝鮮が韓国側に向けて数千個のごみ風船を飛ばしたことへの対応だったと主張している。

弁護側「憲法裁に訴える」

9日の判決言い渡しはテレビで中継したが、尹氏本人は出廷しなかった。

判決後、尹氏の弁護団は強い遺憾の意を表明し、最高裁が十分な審理を尽くさないまま事件を終結したと批判した。

弁護団は「憲法審査の手続きを通じ、憲法訴願を含め、この判決の合憲性を争う」としている。