中国 命の危険あると支援団体

中国の「情報の壁」を壊そうとした活動家 獄中で拷問か

2026/07/17
更新: 2026/07/17

中国政府が築いた「情報の壁」に挑み、人へ自由な情報を届けようとした一人の活動家が、今は中国の刑務所で過酷な虐待を受けているという。

支援団体によると、中国の民主活動家・喬鑫鑫(きょう・きんきん、本名・楊沢偉)氏は、中国の刑務所で強制労働や暴行、独房監禁に加え、四肢を鉄製ベッドに固定される拷問を受けている。命の危険もあるとして、国際社会に救援を呼びかけている。

中国では政府が「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる世界最大級のネット検閲システムを構築し、GoogleやX、Facebook、YouTubeなど海外サイトへの接続を遮断している。

喬氏はアメリカ政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」の元ジャーナリストで、この「情報の壁」を壊し、中国の人が世界の情報へ自由にアクセスできるよう呼びかける「ファイアウォールを壊せ」運動の発起人として知られる。

しかし2023年5月、滞在先のラオスで中国当局に拘束され、そのまま中国へ連行された。その後、「国家政権転覆扇動罪」で懲役5年の判決を受け、現在は、政治犯の収容施設として悪名高い湖南省の赤山刑務所に収監されている。

支援団体によると、喬氏は刑務所で軍用ゴム靴の製造などの長時間の強制労働を命じられた。作業中、ミシンに共産党や習近平政権を批判する言葉を書いたことを理由に看守や受刑者から暴行を受け、顔面に唐辛子スプレーを噴射されたという。その後は独房に入れられ、外部との接触も厳しく制限した。

さらに喬氏は、四肢を鉄製ベッドに固定される拷問も受けたという。両手両足を縛られ、身動きが取れない状態のまま長時間放置され、食事や排せつまでベッドの上で行わざるを得なかった。支援団体は、この拘束によって心身に深刻な苦痛を受けていると訴えている。

支援団体は「命の危険がある」として国際社会に救援を呼びかけ、中国当局に即時釈放を求めている。

中国ではこれまでも、ネット検閲を回避するソフトの開発者や、検閲の実態を発信した情報セキュリティー専門家らが相次いで実刑判決を受けてきた。

中国の人へ「世界の真相」を届けたい。その思いで「情報の壁」に挑んだ喬氏は今、その代償として獄中で自由を奪われ、過酷な迫害にさらされ続けている。

 

左は喬鑫鑫(きょう・きんきん、本名・楊沢偉)氏。右は、中国当局が家族に交付した逮捕通知書 (「公民法庭」発起人の一人、王清鵬氏のXより)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!