ウクライナのゼレンスキー大統領はこのほど、アメリカの調査ジャーナリスト、ローラ・ルーマー氏のインタビューで、アメリカとウクライナがアメリカ内に無人機(ドローン)の製造工場を設立する計画を進めていることを明らかにした。アメリカの製造力と、戦場で実証されたウクライナの無人機技術を組み合わせ、双方に利益をもたらす製造連携を目指すという。
トランプ大統領の支持者として知られるルーマー氏は7月24日、キーウのマリインスキー宮殿の中庭でゼレンスキー氏にインタビューした映像を公開した。対談では、ロシアによるウクライナ侵攻や米ウクライナ間の無人機協力、アメリカの軍事支援などについて意見を交わした。
ルーマー氏は、ウクライナ滞在中に自ら防空警報を体験したことで、これまで反対していたアメリカによるウクライナへの軍事支援に対する考えを改めたと述べ、過去の批判的な発言についてウクライナと同国政府に謝罪した。
トランプ大統領は25日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、このインタビューを転載した。
米ウクライナ 無人機生産で連携強化へ
インタビューでルーマー氏は、「ウクライナとアメリカは無人機分野のパートナーシップを締結した。ウクライナは無人機の革新や技術開発で世界をリードしている」と述べた。
その上で、「あなたは無人機技術でアメリカとの独占的なパートナーシップを築く意向を示しているが、その協力はアメリカの国家安全保障にどのような利益をもたらすのか」とゼレンスキー氏に質問した。
これに対し、ゼレンスキー氏は「われわれは優れた航法技術や実戦経験、無人機技術を有している。無人機技術と無人機戦は将来の戦争の主流になると考えている」と回答した。
さらに、ウクライナの無人機能力は現在も向上を続けており、一部の機体はすでに3千キロを超える航続距離を実現していると説明。「技術者たちはさらに航続距離の延伸に取り組んでおり、将来的には5千~1万キロに達する可能性がある」と述べた。
また、最近では何者かが無人機を使ってホワイトハウスへの攻撃を試みた事例があり、今後は民間地域が攻撃対象となることもあるとして、アメリカとウクライナ間の無人機分野での協力は両国の安全保障にとって重要だとの認識を示した。
ゼレンスキー氏は「アメリカはウクライナから各種無人機の実戦経験を独占的に得ることができる。一方、ウクライナはアメリカの優れた技術を必要としている。これは双方に利益をもたらす協力だ」と強調。「アメリカ内に大規模な工場を建設し、製造同盟を築きたい」と語った。
技術流出を警戒 トランプ氏との協議も視野
ウクライナ政府が無人機メーカーをアメリカへ派遣し、共同製造を進める方式について、ゼレンスキー氏は政府間協定の締結を経て、民間企業が共同で製造・運営を担う形を想定していると説明した。
また、「これらの無人機が危険な国へ渡ることは決して認めない」と述べ、技術流出の防止に万全を期す考えを示した。
さらに、ロイター通信によると、ホワイトハウス当局者は、ゼレンスキー氏は今月28日にトランプ氏と会談する予定で、その場で協議中の無人機協力協定についてさらに話し合われると明らかにした。
今週初めにも、アメリカ国防総省が進める「ドローン・ドミナンス(Drone Dominance)」計画の一環として、ウクライナ企業6社はアメリカへそれぞれ約100機の無人機を輸出することを認められたと報じている。
「ドローン・ドミナンス(Drone Dominance)」とは、アメリカ国防総省が昨年末に立ち上げた、小型無人機(ドローン)の大量調達・大量配備を目的とする約11億ドル規模の軍事プログラムである。ウクライナ戦争で実証した低コスト・大量消耗型ドローンの有効性を受け、アメリカ軍の戦力の抜本的な強化を目的としている。
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