「問題を放置すれば、後になってしっぺ返しを受ける」とFDAの高官は記していた。
新たに公開された電子メールによると、米食品医薬品局(FDA)の高官は、国立衛生研究所(NIH)の関係者に対し、新型コロナウイルスワクチン接種後に一部の人々に生じた健康問題を研究すべきだと伝えていた。
当時FDA長官代行だったジャネット・ウッドコック博士は、コロナワクチン接種が始まってから約5か月後の2021年5月27日、当時NIH所長だったフランシス・コリンズ博士と、当時国立アレルギー・感染症研究所所長だったアンソニー・ファウチ博士に宛てた電子メールの一つで、この問題について記していた。
「現在使用されている3種類すべてのコロナワクチンについて、接種後に有害事象を経験した多くの人々から連絡を受けている」とウッドコック氏は書いた。
「その多くは医療従事者で、中には私が知っている人もいた。症状は、明確に識別できる一つの症候群としてまとまっておらず、その大半は数値化したり、標準的な臨床検査で評価したりすることが容易ではない。大規模なワクチン接種では多くの心理的反応が生じることは明らかであり、これらを区別するのは困難だ。しかし、人々が主に訴えているのは、誰も自分たちの話を真剣に受け止めず、治療方法を知る者もおらず、これを研究しようとする取り組みもないということだ」
ウッドコック氏は「こうした人々の集団を対象に研究を行い、評価することには価値がある」と述べた。業界が支援する可能性は低いため、そのような研究には資金が必要であり、「医学上の謎」に関心を持つ研究者も必要になるとした。
「私の経験では、問題を放置して悪化させれば、後になってしっぺ返しを受け、そのときには何の備えもできていません」と記した。
ファウチ氏は、ウッドコック氏を宛先に含めず、コリンズ氏に返信した。
「彼女の指摘を無視することはできない」とファウチ氏は述べた。
また、米疾病対策センター(CDC)と、当時その所長だったロシェル・ワレンスキー博士にも加わってもらうことを提案した。
電子メールは8月16日、ロン・ジョンソン上院議員(共和党、ウィスコンシン州)とランド・ポール上院議員(共和党、ケンタッキー州)によって公開された。両議員は、FDA、CDC、NIHの親機関から、ファウチ氏の電子メールやテキストメッセージを入手してきた。
両議員によると、ワレンスキー氏に実際に相談が行われたかどうかは明らかではない。
ファウチ氏は、自身の電子メールに関するコメントの要請に応じていない。ワレンスキー氏、コリンズ氏、FDA、CDC、NIHも、記事掲載時までに問い合わせに回答しなかった。

CDCのワクチン諮問委員会に設置された作業部会の元委員長、レツェフ・レビ氏は8月16日、Xへの投稿で、ウッドコック氏の電子メールは、コロナワクチン接種後の有害事象が「あまりに曖昧で非特異的なため、既存のどの医薬品安全性監視システムでも検出されない可能性が高い」ことを示していると述べた。さらに、ワクチンによって被害を受けた人々は「見捨てられ、ガスライティングを受けた(見捨てられ、症状や体験を否定されたの意)」と述べた。
NIHの研究者らは、コロナワクチン接種後に健康問題を抱えた人々と連絡を取り、その一部を研究していた。しかし、今年これまでに公開された電子メールによると、その研究内容を記した論文の草稿は、コリンズ氏とNIHの別の高官から強い反発を受けた。この論文は後にプレプリントとして公開された。

NIHの研究者らが調査した人々の一部を含め、ワクチン接種後に健康問題を抱えた人々を代表する団体React19は8月16日の声明で「これらの記録がようやく明るみに出たことに感謝している」と述べた。
国立アレルギー・感染症研究所のウェブサイトによると、同研究所の研究者らは現在、「コロナワクチン接種に対する免疫系の反応が十分ではなかった」人々と、接種によってアレルギー反応を起こした人々を研究している。
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