中国海南省三亜市の高級住宅の建設現場でこのほどデング熱の集団感染が発生し、周辺の複数の現場を含む建設作業員数千人が隔離された。大紀元の取材に応じた複数の作業員によると、現場では数十人から数百人が感染した可能性があるといい、作業員は繰り返し採血検査を受けている。一部の作業員は市内のホテルや集合住宅に移されたが、受け入れについて事前に説明を受けていなかった住民からは、不満の声が上がっている。
北京では当時、中国共産党の第20期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開かれていた。政治的に敏感な時期と重なるなか、三亜市では厳しい感染対策が取られた。市長が現地を訪れて対応を指揮し、警察が出入り口を24時間態勢で警備するなど、作業員らの出入りが厳しく制限されているという。
三亜の建設現場でデング熱集団感染 作業員数千人を隔離
集団感染が発生したのは、吉陽区にある高級住宅開発事業「三亜保利・天珺」の建設現場である。影響は周辺の複数の現場にも及び、相次いで工事が中断された。作業員の宿舎と工事現場はいずれも封鎖された。
現場にとどまっている作業員の孫志勇さんは、大紀元の取材に対し、取材時点で封鎖が約1週間続いており、自身が働く現場では約千人が隔離の対象になっていたと語った。
「私たちは宿舎のある区域で隔離されています。外に住んでいた人たちは、全員、美麗之冠大樹ホテルに移されました」
同ホテルは三亜市のランドマークとして知られる。孫さんによると、作業員の集団移送には約20台の車両が使われたという。各現場には800~千人ほどの作業員がおり、影響は一つの現場にとどまらない。
「一つの現場で問題が起きると、周辺の現場も全て工事が止まります。現場全体では4千~5千人はいるはずです」
感染者数は明らかにされず 工事中断で収入を失う作業員も
孫さんによると、現場側は具体的な感染者数を明らかにしていない。ただ、孫さん自身は、感染者は少なくないとみている。
「私のいる現場だけでも数十人は出ていると思います。そうでなければ、ここまで厳しくはしないでしょう」
感染者が病院に搬送されたこともあったが、「当局は何も公表していない」という。
すでに現場を離れた作業員の趙建国さんによると、自身が働いていた現場には数百人の作業員がおり、列に並んで採血を受けなければならなかった。検査のたびに長時間待たされるうえ、工事の中断で賃金も得られなくなったため、仕事を辞めて現場を離れたという。
「検査で3回も採血されました。何日も並ばされ、その間は給料も出ません。もう辞めました」
「これほど感染が広がっているのに、誰が安心して働けるでしょうか」
作業員らの証言によると、現場では集団隔離や採血検査、消毒などが行われている。一方、感染者数や感染の広がり、感染源については、当局から十分な情報が示されていない。
警察が24時間警備 繰り返される採血検査
孫さんは、感染が発生した当初、事業者側の対応は不十分だったと指摘する。
「三亜市政府が対応を引き継いでからは、警察が入り口を24時間警備するようになりました。市長も現場を訪れ、直接指揮を執りました」
封鎖中は作業員の自由な出入りが認められず、現場各所で消毒や蚊の駆除が行われたという。
中国建築第二工程局の海南支社で働く周大福さんによると、自身が働く現場は2日間封鎖された。地上から薬剤が散布されたほか、ドローンも使われた。ドローンは、おおむね屋根の高さを超えない低空を飛んでいたという。
周さんは、採血が繰り返されたことにも戸惑いを示した。
「私たちは5回も採血されました。その後、2日ほどで封鎖が解除されました」
現場の担当者からは、「採血を受ければ、封鎖が解除されて仕事に戻れるかもしれない」と説明されただけだったという。孫さんも、3回の採血を受けたと話した。
作業員数百人を集合住宅へ移送 事前説明なく住民に不満
影響は建設現場の外にも及んだ。『新京報』の10月31日付報道によると、作業員数百人が吉陽区の集合住宅「三亜恒大美麗之冠」に移された。住民は、大勢の作業員が共用廊下に集まり、採血のために列を作っていることに気付いたという。地元でデング熱などの患者が確認されたことを受け、感染が確認されていない作業員を同住宅に集め、滞在させていたとされる。
住民の范さんによると、作業員の入居前も入居後も、管理会社や関係当局から説明はなかった。范さんは自宅にいる乳児への感染を心配し、数日間、ドアや窓を開けられなかったという。
吉陽区の春光社区居民委員会は『新京報』に対し、月川地区の建設現場でデング熱とチクングニア熱の患者が確認され、発症した作業員は病院に搬送されたと説明した。事業者は作業員の健康状態を把握しやすくするため、まだ発症していない作業員を同住宅に集め、経過を観察していたという。受け入れは約2週間前から始まり、4棟が使われた。
三亜市疾病予防管理センターによると、作業員はすでに全員、別の場所へ移された。吉陽区の衛生健康委員会は、滞在中の検査結果は全て陰性だったとしている。ただし、これは検体を採取した時点での結果であり、その後の感染まで否定するものではない。
三亜の封鎖を巡る投稿相次ぐ 各地では新型コロナの情報も
10月29日には、吉陽区のインターネット利用者が、宿舎で突然、緊急通知が出されたと投稿した。通知は全面封鎖に備え、生活物資を購入したうえで直ちに宿舎に戻るよう求める内容だったという。封鎖後は外出を禁止し、違反した場合は警察に通報するとされていた。
三亜市の一部地域で警報が長時間鳴り響き、不安が広がったとの投稿もあった。翌30日には、デング熱の核酸検査や集団隔離に関する情報が出回り、「すでに9日間隔離されている」と訴える人もいた。
一方、中国各地では、新型コロナウイルスの感染が増えているとの投稿も相次いでいる。発熱や激しい喉の痛み、全身の関節痛、長引くせきなどを訴え、数日たっても症状が改善しないとする声がある。広東省の複数の地域で感染者が増えているとの書き込みも見られる。
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