「愛国心を教えてきたつもりだった」
台湾の歴史授業をわずか40分見学した中国の女性教師は、自分が20年間、子どもたちに教えてきたのは、祖国への愛ではなく、他者への憎しみだったのではないかと後悔した。
この教師は、その体験をネット上で明かしている。
台湾の教室では、生徒たちが先住民族や移民など、異なる立場から歴史を自由に語り合っていた。意見が違っても互いに耳を傾け、教師も一つの答えを押し付けない。
わずか40分の授業に、彼女は衝撃を受けた。
これまで中国で自分が教えてきた歴史は、善と悪、味方と敵をはっきり分け、決められた答えを覚えさせるものだった。それが愛国教育だと信じていた。
しかし、台湾の生徒たちが自由に考え、堂々と意見を述べる姿を見て、「自分は子どもたちに何を教えてきたのか」と後悔したという。
台湾で自らの教育を見つめ直したのは、彼女だけではない。武漢の大学で20年以上教えてきた別の女性教師も、台湾での体験を動画で紹介している。
台北の地下鉄では、子連れの母親に何人もの乗客が同時に席を譲った。また、道に迷った際には、見ず知らずの店員が仕事の手を止め、20分近く歩いて目的地まで案内してくれたという。
この教師は、台湾で目にした他人への思いやりや礼儀こそ、自分たちが学ぶべきものだと語った。
1人は教室で、もう1人は街角で。2人の教師が台湾で目にしたのは、異なる意見を尊重し、見知らぬ人にも思いやりを示す人々の姿だった。
歴史を敵と味方に分け、決められた答えを教えてきた中国の教師。その一方で、台湾の教室では、子どもたちが自分の頭で考え、異なる立場を理解しようとしていた。
愛国心とは、他国を憎むことなのか。それとも、自分の国を愛しながら、他者も尊重できる心なのか。
わずか40分の授業が、一人の教師に突きつけたのは、そんな教育の根本に関わる問いだった。
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