中国軍部高官の核攻撃発言で、国際社会に波紋

2005/07/18
更新: 2005/07/18

【大紀元日本7月18日】中国人民解放軍国防大学防務学院院長・朱成虎少将が、米国政府が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、核攻撃も辞さないという衝撃的な発言に対して、国際社会から強烈な反応が示された。VOA放送が16日に伝えた。

アメリカ国務省スポークスマンのマコーマック氏は15日、発言は、「極めて無責任で、中国政府の立場を代表しないことを希望する。非常に遺憾だ」と強く非難した。

台湾の大陸委員会スポークスマンは、朱の発言は非常に不適当で、中国のタカ派の強硬な態度を示したとコメントした。

一方、中国外務省は、朱成虎氏の発言は個人の観点であると弁明したが、中国政府の立場ではないと表明することをしなかった。同時に中国外務省は声明文を発表、「中国は台湾の独立を絶対に容認しない、中国国家の分裂を促すあらゆる行動を許さない」と強調した。

台湾高等政策研究協会の執行長官・楊念祖氏は、「核攻撃発言はアメリカと日本に向けられたものであり、中国政府はこの発言で、米日両国の反応を試し、両国の態度を探りたいのだろう」と見解を示した。

ワシントン・タイムズ紙17日付けの報道によると、米国国防省のある高官は、「朱成虎氏の発言は、おそらく事前に中国高層部の許可を得た、中国政府の見解を代表するものだろう。戦争計画の一部を無意識に漏らした可能性もある。この発言の意図は、アジア国家にアメリカの軍事力を恐れていないことをアピールするものだろう」と分析した。

中国軍部高官による核攻撃発言は、1995年の中国軍部副参謀総長・熊光楷氏以来、中国の戦略意向において中国軍部高官が示したもっとも明確な態度である。1995年、熊副参謀総長は曖昧な発言で、台湾海峡での武力紛争に米国が介入した場合、中国はロサンゼルスに対して核攻撃する可能性があると表明した。

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