カナダ:前副総理ら各界要人、九評シンポに参加

2005/08/12
更新: 2005/08/12

【大紀元日本8月12日】カナダのトロント大学で8月5日午後、カナダ前副総理シェイラ・コーブス氏などの政界要人が参加し、共産主義が中国で消滅するかどうかを議論するシンポジウムが開かれた。亡命申請中の元瀋陽市司法局局長・韓広生氏は、「中国共産党はリンゴのように、芯から腐り始め、傷が表面に次第に拡大し始めている。このため私は中共を離脱し、中国の真実を国際社会に暴露するに至った」と述べた。

韓氏は「中国共産党は、党の利益が一切を超える絶対的なものとして統治してきた」と指摘。1989年に天安門広場で、民主と自由を求める大学生と国民らを大量虐殺。1999年から今日まで、法輪功愛好者らを鎮圧するために、ゲシュタポのような秘密組織「610オフィス」を設立し、全党一致で国家権力を駆使し、残虐な迫害を密かに展開してきた。そのため、一千万人超える法輪功学習者らは、法律に違反していないにも関わらず、正当な法的手続きもなく、投獄監禁され、残虐な拷問に遭い、強制洗脳を受けた。多くの人が殺され、家庭は崩壊した。

中国共産党体制の腐敗現状にも、韓広生氏は触れた。同氏は、瀋陽市の最大のマフィア組織のボス・劉湧を逮捕したことがあったが、後に、瀋陽市市長・慕綏新氏がボスの兄で、瀋陽市の地方裁判所裁判長がボスの里親であることが判明し、各方面の圧力で、劉湧を釈放するしかなかった。その後、このマフィアのボスが瀋陽市の人民代表の席についたという。

シーラ・コップス氏は、カナダの自由党内閣の副総理、環境部長、文化伝承部長を歴任してきたベテラン政治家。彼女は「国家発展の土台は、異なる民族や、宗教、文化の共存が保証され、多元化を尊重することである」とし、中国共産党が中華民族文化を破壊したことに言及、「国民に中国共産党への忠誠を維持させるために、党は五千年の中華民族の美徳文化を踏み潰し、共産党文化で国民を洗脳してきた」(「九評共産党」第6講)を引用し、「独裁は、国家にとって最大の脅威である、言論文化と信教の自由がないからだ」と述べた。

ブライアン・マカダム氏は、30年間も外交官を勤めた。同氏は、1968年から1972年まで香港に駐在、「1969年から1976年にわたり、中国で約100万から200万人が殺害され、1200万人から2000万人が辺鄙な農村地区に送られ、再教育を強いられた。この3年間で、私は多くのカナダ移民を申請する中国人に出会った。彼らは、『文化大革命』から逃れたばかりで、一部の人は、1958年から1962年の毛沢東氏(当時の国家主席)が引き起こした3000万人が餓死した大飢餓もあった。「九評共産党」の鋭い記述は、私の見聞に完全に合致している」と語った。

欧米の産業界が中国に投資する問題

ブライアン・マカダム氏は、「中国進入の条件として、中国当局は企業側に技術伝授を要求するが、協力が得られなかった場合は、各種の汚い手段を使う。ひどい時には、模造品に走るいま、外資系企業の多くは中国政府にだまされているのに投資を続けるため、中国との貿易赤字がどんどん膨らみ、自国民の多くが働く場を失った。さらに、一部の企業だけが利益を上げている」と指摘した。

フィラデルフィア市のドレクセル大学商学院の市場学教授・謝田博士は「中国で投資する海外事業家は、4種類の心理状態、①貪欲の持ち主②道徳崩壊…郷に入れば郷に従う③追随心理…商機を失い、出遅れることを恐れる④鳥骨反応…捨てるにはもったいないが、食しても味がないと分析している。謝田博士の論点は、カナダの某児童用品メーカーの財務責任者の下した判断ケースに合致している。この会社は、コスト節減のために中国進出を決断し、3000人のカナダ人従業員を解雇した。

参議院議員のコンシグリオ・ディ・ニーノ氏は、「中国の現状は、独裁政府は、国民の基本的人権、例えば、信教自由、言論自由などを完全にはく奪している。中国は労働保護法が機能しておらず、正確にいうと、その法律が存在しない国である、中国政府は、国民の労働力をひどく搾取することで、外資系企業に収益をもたらしている。統計によると、中国の児童労働者の人数は全世界の50%を占めている。格安の労働力と巨大市場を目当てに、世界各地の企業が中国投資に夢中だが、私は、こういう現象を『経済の売春行為』と名づけている。カナダの総理大臣に中国商品の輸入を削減し、中国政府に行動を正すよう提言すべきだと呼びかけたが、残念ながら、経済利益を優先するため、実行する国がとても少ない、これは非常に恥じるべきことである」と厳しく批判した。

今回のシンポジウムの主催者であり、トロント大学の中国問題研究協会の会長を務める馬玉潮氏は「今回の会合に、産業界や、政界、学界と法律界の専門家らや、在外公館の総領事なども参加し、中国問題の関心が高まるなか、意見交流と論議を活発に交わすことができた」とシンポジウムの成果を高く評価した。