チリ当局、元ペルー大統領フジモリ氏を逮捕

2005/11/08
更新: 2005/11/08

【大紀元日本11月8日】ロイター通信によると、チリ当局は7日早朝、元ペルー大統領アルベルト・フジモリ氏をサンチャゴ市内の宿泊先マリオット・ホテル内で人権虐待、汚職等の容疑で逮捕した。同氏は滞在先の日本から大統領選のためペルーに向かう途中であった。

フジモリ氏は1999年から2000年までペルーの大統領であったが、汚職スキャンダルにより祖国日本へ亡命していた。国際刑事警察機構の令状がフジモリ氏に出ていたため、チリ裁判所は6日に国内令状を発行し警察に逮捕させた。

67歳のフジモリ氏は、「2006年の大統領選に向けてペルー市民との約束を果たすためチリに一時的に立ち寄っただけ」と述べた。フジモリ氏は現在、ペルー司法当局から1990年代の虐殺事件に関し政治責任を問われ21件の罪状で告発され、政治活動を禁止されている。現在、ペルー議会がチリとの領海区域を見直す法案を可決したため、ペルー・チリの国家間は緊張している。

ペルーは今年、ハーグの国際裁判所に提訴して日本からフジモリ氏を送還し裁判に掛ける計画であったが、日本はフジモリ氏に市民権を与えこれを拒否し続けてきた。「彼が日本を発ったのは個人的な理由です。日本政府としてこれ以上のコメントはできません」と、日本外務省スポークスマンは述べた。ロイター情報筋によると、フジモリ氏には日本政府から強制退去の圧力は全くなかったという。

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