中国:一度に100人以上の集団脱党、指導部に衝撃

2006/04/17
更新: 2006/04/17

【大紀元日本4月17日】 湖北省武漢市黄陂区の食糧供給企業の従業員百人以上がこのほど、連名で直轄の地方政権に対し、中国共産党から集団離脱すると表明した。

脱党者らが在職していた国営食料供給企業が2000年に経営破綻した。その後すぐに定年退職した従業員への年金給付が中止され、さらに医療保険や、その他の福利厚生もすべて抹消された。五十数人の定年退職者は上級部門に問題の解決を求めたが、まったく取り合ってもらえなかった。年金が止められ、生活が窮地に陥る従業員がいる一方、元幹部らは企業の資金を不正流用、売却、自己所有の不動産を購入したり、贅沢三昧な生活を送っている。後に従業員代表の黄昌喜氏(60代)は、企業の元トップ・周緒華氏に抗議を申し出た際に、同氏に殴り殺された。死亡事件直後、複数の現地メディアが、一旦取材に訪れたが、途中から撤回した。

ある従業員は、「今回のグループによる中国共産党からの離脱は、決して偶然または単独な事件ではない、民衆と共産党幹部の間で長年に蓄積してきた対立の結果だ。我々は希望から失望へ、失望から絶望へと落とされ、最後に連名で共産党からの離脱を決断した。このことは現地の民衆が地方政権に抱く強い不平不満の縮図である」と語った。

今回のグループによる公開の脱党は、中共指導部にも衝撃をもたらしたようだ。一部の参加者は自宅に軟禁されたり、勾留されたりしている。発起人の1人である万懐焔氏は、直後に洗脳センターに監禁され、「思想改造」を強いられている。

民間団体のメンバー・孫不二氏ら3人は、従業員らを支援するために、3月25日民間調査チームを結成し、現地に駆けつけた。孫氏は、このグループによる脱党事件の発展を注意深く見守ると表明、「中国は今重要な転換期に直面している、あらゆる所で導火線が埋蔵され、一旦爆発し始めると、大きな変革をもたらすかもしれない」と語った。

(記者・辛霏)