中国人権派弁護士逮捕事件:華人団体ら、中国大使館前で抗議活動

2006/08/23
更新: 2006/08/23

【大紀元日本8月23日】中国人権派弁護士・高智晟氏が逮捕されたことを受け、日本の高智晟救援委員会や中国共産党離脱センター東京支部などの華人団体は21日午前、港区麻布の中国大使館の前で抗議活動を遂行、中国共産党(中共)政権に対し、高智晟氏の釈放を強く求めた。また、参加者らは、日本政府にも呼びかけを行い、中国当局の不当逮捕を非難すると共に、高智晟氏やその他の中国人権活動家らの救出を支援するよう求めた。

中国の良心と言われる高智晟・弁護士は、中共の圧力や、脅迫に屈せずに、これまで社会的弱者層の権益を守るために奮闘し続けており、さらに2004年12月31日から3度にわたり中国共産党(中共)政権指導部に公開状を提出し、法輪功への集団迫害の違法性を指摘、迫害の中止を訴え続けてきた。また、本年3月に明らかになった、法輪功学習者を対象とした「臓器狩り」については、自らの調査経験から真実であることを確信し、この告発を調査する独立調査団への参加を宣言している。米国や欧州連合などの諸国の外交筋が同氏を中国の民主抗争の代表者と注目したため、中共政権は同弁護士への表立った弾圧をやめ、昨年11月から大勢の私服警官が、高弁護士の自宅周辺で同氏を24時間監視し、尾行や脅迫などを続け、二度にわたり高速道路で自動車事故を装った暗殺未遂事件もあった。

現在、中国臓器狩りについて、豪州などの政府や、政界要人などが独立調査を求める動きが見られ始めており、 今月始めに共産党からの離脱の情報を国内で紹介した中国東方航空の機長が米国で避難申請したことで、中国大陸で起きている共産党脱党ブームが国際社会に暴露されることになった。

今回の抗議活動の主催者である高智晟救援委員会の関係者らは、「中共当局が今回敢えて高弁護士の逮捕に踏み切ったのは、こうした背景があるからだ。国内の人権活動家を脅かすと共に、国内外の注意の的を分散させる狙いもある」と見ている。

ある評論家は、「中共政権はいま一番恐れているのは、国内の民衆が大規模に、組織的に共産党への離脱を宣言していることであり、しかも匿名で離脱するため、取り締まる術もない。高弁護士を救出するためには、中共のこの弱みを指摘すべきである。すなわち中共政権に、高弁護士を逮捕することで、得るものより失うもののほうがずっと大きいと認識させることができれば、高弁護士の安全は確保される」と分析した。

中国共産党離脱センター東京支部の責任者・洪峰氏は、高弁護士は自分の逮捕を、以前からも予想していたと話し、「私がもし逮捕されるならば、それは私が迫害されている法輪功学習者を弁護しているからだ。私を助けようとするならば、真相を伝え、人々に中国共産党から速めに脱退するように呼び掛けてください」と話していたことを明かした。

抗議活動参加者の1人、日本人の多田氏は、高弁護士の逮捕を知ったとき、強い衝撃を受けたと明かし、「一日本人として、自分のできることから着手し、中国の数少ない勇気ある人権弁護士・高智晟氏を救うために、これからは、日本のメディアや、政府部門にこの真相を伝えていきたい」と述べた。

中国民主団体の代表・羅金竜氏(右2)、林飛氏(右1)(大紀元)

中国民主運動海外聯盟の日本支部の代表・林飛氏は、中共政権の暴挙は全世界で抗議されていると指摘、中国の民主抗争はこれからも続けていくとの見解を示した。

コラム作家・王天増氏は、今回の高弁護士への逮捕は、全国範囲で民主を求める抗争を引き起こす可能性を示唆し、中共軍部の正義ある方々と民間の有識者に対し、中共政権の国民への恣意な迫害に沈黙を破り、立ち上がるよう呼びかけた。

民主中国陣営日本支部のメンバー羅金竜氏は、「中共独裁政権下では、自由が空論となっている。1200万人の国民が脱党したことは、最適な答えである。近い将来、中共政権は必ず崩壊する」と述べた。

(記者・張本真)
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