フォーブス誌:世界一権勢のある女性=メルケル独首相

2006/09/03
更新: 2006/09/03

【大紀元日本9月3日】米国の総合ビジネス誌として、世界的に名高いフォーブス誌はこのほど、今年の「世界でもっとも権勢のある女性」ランキングを発表、ドイツのメルケル独首相がトップの座を獲得した。これまでに、世界ランキング100に一度もノミネートされなかった同首相は、初めてのノミネートでいきなりトップの座を占め、その高い人気ぶりは2位のライス米国務長官を圧倒したほどである。

昨年10月にEUの経済大国・ドイツの首相に就任したアンジェラ・メルケル氏は、1871年ドイツ国(ドイツ帝国)として統一されて以来の最初の女性首相であり、また、1990年にベルリンの壁が崩壊し、再統一を果たしてから、初めての東ドイツ出身の首相でもある。

メルケル首相は敬虔なキリスト教家庭に生まれ、幼少の頃から、政治に対する認識は共産党政権教育下の一般の学生と異なっていた。かつてある詩を朗読したことで「ブルジョアジーに傾倒している」と言われ、退学処分にされそうだったという。

首相に就任して以来、対中政策において、経済のみ重視、人権を無視するシュレーダー前首相とは異なり、メルケル氏は、経済・人権の両方を重視する政策を取っている。天安門事件で中国共産党(中共)当局が学生を虐殺したことから、制裁措置として対中武器禁輸が行われたが、シュレーダー前首相は、禁輸解除をEU連合に促して来た。ところが、メルケル首相は就任後、対中武器禁輸の解除は一切考慮していないとの見解を示した。今年5月、メルケル首相は中国訪問中に、「中国農民調査」の著者・陳桂隷氏・呉春桃氏夫妻を含む、4人の人権擁護活動家と面会した。

経済上の政策として、メルケル首相は米国がドイツの経済に与える影響を重視、シュレーダー前首相時代で冷えていた独米関係の改善に尽し、ドイツへの米国の投資に飛びかかるために大きいプッシュを作っている。今年1月および5月に2度訪米し、米国との関係修復を試みた。ブッシュ大統領は、メルケル首相が持つ自由民主の理念を賞賛し、同首相の共産主義・東ドイツでの経歴にも非常に興味を示した。

また、訪米中、産業界の多くのリーダーらと会談、バイエルンの研究とハイテク技術を含めて、ドイツの多くの潜在市場を米国の産業界に積極的に紹介した。メルケル首相の精力的なネットワーキングの努力で、ドイツの過去5年間も停滞した経済は現在復活の兆候を見せ、今年初めて2%の上昇が達している。

ノーバート・ウォルター博士=ドイツ銀行グループの首席エコノミスト=によると、物理学者出身のメルケル首相は「特権グループの利益を守ることには関心がなく」、協調を必要とさせる「技術、革新、および競争に焦点を合わせている」という。

フォーブス誌が発表されたランキングの中で、各国政界の女性政治家、財界要人および知名人士の妻などもランキングされている。

フォーブス誌のランキングは、主にメディアにキャッチされた出現回数率および経済に対する影響に基づいており、世界の富豪ランキングのほか、毎年、各種異なるランキングを発表し、各業界で注目されている人々を取りあげている。

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