袁紅氷・教授、「6・4天安門事件」を分析、「中国共産党は必ず歴史の大審判を受ける」

2007/06/04
更新: 2007/06/04

【大紀元日本6月4日】中国当局に弾圧された1989年の学生民主運動「6・4天安門事件」を実体験した豪州在住の元北京大学法学教授の袁紅氷氏は5月28日、「希望の声」( Sound Of Hope)ラジオの取材を受け、自らの体験を語り、「天安門広場で、大勢の大学生への虐殺が発生した原因と教訓は、中国国民が中国共産党の本質を認識していないことにある」と分析し、「『九評共産党』(大紀元のシリーズ社説)を読み、しかもその伝播を大々的に推進して、はじめて中国共産党の邪悪な本質をはっきり認識でき、中共の暴政を早めに崩壊させ、歴史的審判を受けさせることができる」と話した。

袁紅氷氏(大紀元)

袁紅氷氏はまず、「6・4天安門事件」での実体験を以下のように語った。

「1989年、学生による政治改革を求める民主運動がはじまった当時、私は北京大学の法律学部の教師であった。当時学生の民主運動を支持するため、私が発起人になって北京大学教師後援団を結成した。事件の全過程について、私ははっきりと覚えている。6月3日夜、一晩中に私は長安街の西部分の六部口あたりにいた。この一晩で、私は多くの負傷者を救出した。着ていたワイシャツが負傷者の鮮血で完全に濡れていた。私は目撃した、白いスカートの女学生が私のそばから走り去ったときに、銃弾に打ち飛ばされ、地面に叩き込まれた・・・・・。一両の装甲車が1人の学生の体を踏み潰した。装甲車が去った後、残された体は2本の腕だけ、その手にはまた一枚の旗を握っていた。これは、私が実際に見た現場である。あの晩、血が河のように流れていた。天安門広場で誰一人が殺されていないと称し続けている人たちは、中共の独裁政治を粉飾するために、破廉恥にうそをついている」。

(64memo.comより)

袁紅氷氏は、「6・4天安門事件」の惨劇を招いた原因は、中国国民が中国共産党の本質を認識していないためだと指摘、以下のように分析した。

天安門での虐殺が発生した後、多くの人はこの大学生民主運動について、いわゆる「反省」を行った。特に一部の知識人は、学生運動が理性を欠いている、学生たちが妥協しなかったから、中国当局の弾圧を招いたなどなどと非難している。

実際には、この民主運動は、学生の純粋なる強い正義感により起こされた。本質から言うと、これは激情的な運動であり、周到に熟考され、理性的に計画した過程ではなかった。歴史を変える火焔は往々にして激情によって点火されている。しかし、残念ながら、中国の知識人層は、この学生民主運動に対し、真に歴史価値を創造させるための導きを行おうとしなかった。結局、学生たちによるこのような激情的な運動は、独裁政治を徹底的に否定できる理性ある運動に変身できず、中国共産党の一党独裁を徹底的に終焉させるとの強い政治理念が足りないため、このような虐殺の惨劇が発生した。

我々は、中国共産党が政権を確立してから今日までの歴史を少し振り返ってみれば、この党は、中国の苦難を招いた根源であること、中国の人権が踏み躙られる根源であること、中国で発生している罪悪の根源であることに気づくはずだ。中国当局の官僚集団は、反人類の罪を繰り返している犯罪集団である。これはこの悪党の本質だ。天安門事件の時、中国の知識人の主体が中共のこの本質をはっきりと認識できなかったため、全国範囲で全国民による大反撃を起させるための明確な強い政治理念を提供できなかった。そのため、民主的な新しい中国を誕生させることができなかった。

袁紅氷氏はさらに、「九評共産党」は中国共産党の本質を認識し、中共の独裁政治を暴露するには重要な役割を果たしていると指摘し、「2004年、大紀元がこのシリーズ社説を公表してから、すべての良識ある中国人は、中国共産党の本質を明確に認識できるはずだ。それまでに、多くの知識人がこの党の本質について、すでに様々の見解を持っていたが、「九評共産党」のように、わかりやすい言葉で、緻密にしかも深く中国共産党の本質を暴かした文章はまったくなかった。この角度からみると、「九評共産党」を如何に広く伝播させ、さらに深く中共の暴虐政治の本質を暴露するのは、我々良識のある中国人全員が直面する重要な課題である。もし、我々は徹底的に中国共産党の本質を暴露できなければ、たとえ、「6・4天安門事件」のような集団的大規模抗議運動が再度起こされても、最終的に明確な政治理念を持たないことから、惨劇が再演し、成功できない。これは、「6・4天安門事件」の18周年記念日の今日、我々は心に刻むべき深刻な教訓である」と強調した。

最後に、袁紅氷氏は、中国共産党は天安門事件の後から、その政治体制は完全にマフィア化し、犯罪集団となったと指摘し、「彼らには天安門事件を評価・名誉回復する資格はまったくない。中共には、歴史の大審判が待ち構えている。中国共産党はすでに自己調整する能力を喪失、いかなる理性と良識を有していない。この党は専制統治を維持することで、継続的に中国人を剥奪・抑圧している。中国共産党の統治を終結させるには、国民の覚醒運動、すなわち、全国民による反暴政運動が必要であり、中国共産党の文化と独裁から解放するには、徹底的な精神解放運動が必要である。ここ18年間、毎年の6月4日の記念日に迎える際に、多くの人は中国共産党に対し、「6・4天安門事件」の名誉を回復するよう求めてきた。この要求自身は、一種の奴隷根性を現している。中国共産党自体は犯罪集団であり、「6・4天安門事件」はこの犯罪集団が犯した許し難い反人類の罪であり、必ず歴史の審判を受けるはずだ。このような犯罪者にとうして「6・4天安門事件」の名誉回復を要求するのか、このような犯罪者はどうして自ら犯した犯罪を再評価する資格があるのか。彼らを待ち構えているのは一つの結果しかない、すなわち、歴史の大審判で裁かれることである」と力説した。