亡命するチベット人、またしても中国軍が発砲

2007/11/04
更新: 2007/11/04

【大紀元日本11月4日】2007年10月31日にワシントン)チベット問題の情報筋によると、10月18日に女性と子供を含めたチベット人46人が国境を超えてネパール亡命しようとした際、中国軍兵士に銃撃された。幸いに死傷者は出なかった、46人のうちにネパールに無事到着した人は35人という。

米国ワシントンにある国際チベット支援運動と、インドにあるチベット人権民主促進センターは、10月の始め頃、中国国境に駐在する解放軍が国境を越えてネパールに亡命しようとするチベット人に向けて発砲したと発表した。亡命を図った一行には、僧侶や女性、子供もいたという。

三人が逮捕され、九人が行方不明

チベット人権民主促進センター副主任は、「10月18日、チベット人46人の一行が国境のNangpala山を越えて、ネパールに向かった、気づいた中国軍兵士と警察は一行に向かって発砲した。死傷者は出なかったが、3人が逮捕され、9人が行方不明、残りの35人が無事ネパールに到着した。去年、同じ場所で中国軍兵士がチベット人を銃殺した事件が発生し、国際社会を驚かせた」と説明した。

情報によると、中国軍兵士と警察が発砲後、チベット人は分散して逃走した、行方不明となっていた9人は恐らくすでに逮捕された可能性があるという。

Nangpala雪山はチベットとネパール国境に接するところに位置する。2006年9月30日に、チベット人75人の一行が亡命しようとした際、中国の武装警察に銃撃された、少なくとも死者2人が出た。

チベット人権組織の推測によると、毎年ネパールに亡命するチベット人の数は3千人に上る。ネパールに到着後、国連難民署の登録を受け、数ヶ月後に車でインドにあるチベット亡命政府所在地に送られる。亡命する人達は僧侶や政治的な理由で拘禁されたことがある人、中国愛国洗脳教育を受けたくない人、18歳未満の学生などにより構成される。

チベット人権民主促進センター副主任の話によると、亡命者はネパールで落ち着いてから、大部分の人は学校に戻り、教育を受ける道を選ぶという。「ネパールに難民署の分署がある、チベットの難民に住むところを提供する上に今後の進路の相談や協力を提供している」と述べた。

分析:北京はチベット問題を現状維持

専門家らは、チベット問題は現状維持と見ている。北京政府はダライラマが亡くなるのを待っているようだ。北京政府とダライラマの使者の間に何らかの合意を結ぶ見込みはないと分析した。

一方、中国外交部のスポークスマン・劉建は、「中国側は一貫としていかなる国家、いかなる人であろうとも、ダライラマの問題を利用して中国の内政に干渉することに反対する。チベットは中国領土であり、チベットの事務はまさしく中国の内政である」と、これまでの主張を繰り返した。

(翻訳・侍傑)
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