失踪14ヶ月高智晟弁護士 取材許可した北京当局の思惑

2010/04/21
更新: 2010/04/21

【大紀元日本4月21日】4月7日、14カ月に亘って消息不明だった中国の著名人権弁護士・高智晟氏が突然姿を現し、米AP通信社の取材に対して、今後人権活動を停止する意思を表明した。行方不明前に比べてひどくやつれた顔の、異様な同氏の写真も公表された異例の取材。胡錦濤国家主席が米ワシントンでの核安全保障サミット会議に出席する直前にこの取材を許可した中国共産党当局の思惑は、一体何だろうか。

法輪功学習者や地下教会に対する中国当局の人権侵害を批判してきた高智晟氏は、長い間当局から迫害を受けた。2007年11月、高氏の文書が公開され、2007年9月から11月の間、中国当局によって拉致された後、殴打され、電気棒で生殖器を電撃されるなどの拷問や虐待を受けている事実が初めて世に暴露された。2009年2月4日再び当局に拉致され、その後1年以上、同氏の消息は途絶えていた。その間、米・英政府が中国政府に同氏の安否の確認を求めるなど、国際社会も高い関心を示していた。

陰で操る中国当局の意図

AP通信によると、高氏は「これまでの自分の活動が家族に多大な損害をもたらしたことを考え、今後は人権擁護活動を行わない」と現在の心境を述べ、高氏が家族との団欒を求めて、今後は中国政府を批判しないことを表明したという。

突然のこの取材に、高氏の安否を心配していた広州のリベラル派学者・艾暁明氏は、「高氏の写真を見れば、そのやつれた顔や目から、相当な肉体的、精神的苦痛を強いられたことが分かる」と語った。

また、元山東大学教授・孫文広氏は「高氏は法輪功修煉者を弁護したことで、自分も大変な苦痛を舐めさせられたが、このような高尚な人間がまだ生きていること自体喜ばしいことだ」とコメントした。

しかし、今まで高氏の所在を隠していた中国当局が世界に向けてこのような報道をさせた意図は何か。

それは「俺様はならず者だ。誰も恐れない。あれほど意志の固い高智晟さえも屈服させた」という恫喝的態度を示すことである。これはまさしく05年の、中国国防大学国防学院院長・朱成虎少将による「核恫喝」を思い出させる。

当時、朱成虎少将は、「もし米国が中台紛争に介入すれば、中国は最初から核兵器を使用し、米国の数百の都市を焼き払う。仮に、米国の報復によって中国の西安より東が壊滅しても構わない」と公言し、国際社会に対して、中国の核使用を伺わせる恫喝を行った。

一部の米主要メディアは大騒ぎし、米政府も朱少将の発言が中国を代表していない根拠を見つけようと必死になった。しかしそれ自体、中国共産党が自ら脚本を書いた「ならず者の芝居」であった。現役の高官として、朱少将は決して自国政府と異なる個人的見解を持てない訳ではないが、このようなコメントを外国メディア向けの敏感な場所で公表することはありえない。 

この時、朱少将はまるで自己制御を失ったかのようにわめいたが、それは決して情緒的な発散ではなく、寧ろ周到に用意したことである。「個人的見解」をアピールするように見せて、実は中国共産党当局の策略を遂行していた。即ち、最も攻撃的な言辞によって米国を恫喝し、全世界を恫喝したのである。

狭まる「中国共産党包囲網」

米国内の失業問題の激化により、米政府は人民元の切り上げを絶えず中国政府に要請してきたが、中国当局は一貫して応じない態度を取っていた。しかし3月末になって突然、人民元切り上げ問題において態度を変えた。考えられる原因の一つは、3月16日、米下院で圧倒的多数で可決した605号決議案。同案は、中国共産党に対して法輪功への弾圧を直ちに止め、監禁している全ての法輪功学習者を釈放することを要求するものである。さらに米下院は、オバマ大統領が法輪功学習者に接見するよう求めた。

また、グーグル社が中国から引き上げてから、多くの資金を法輪功学習者が開発するネット封鎖を突破するプロジェクトへ回すべきだという声が米議会で高まっている。

これまで中国共産党が自由世界に敷設してきた「法輪功の最低防衛ライン」が、いま突破されようとしている。胡錦濤主席訪米の際に、法輪功の問題をこれ以上提起されることを恐れた北京当局は、とうとうならず者の本性を現し、かつて法輪功学習者を弁護したために監禁された高智晟氏というとっておきのカードを切って、世界を恫喝しようとしたのである。

即ち、法輪功問題で誰かが公正なことを言ったら、高智晟氏と同じように酷い目に遭わせてやるというのである。

しかしこれにより、中国当局が最も恐れているのは法輪功であることが明らかとなった。

当局による法輪功への弾圧の手段は、すべて失敗に終わっている。現在、中国国内では多くの弁護士、人権活動家が法輪功のために弁護し、支援するようになっている。

近年、利害の考えから、中国共産堂政権の顔を伺い、中国当局との関係破滅を恐れた「中国共産党恐怖症」が、西洋社会の各国政府の間でも広まっているようだ。「中国共産党恐怖症」を克服する最も有効な処方箋は、再び自国の立国精神と伝統的価値観に立ち戻ることだ。それに基づいて法輪功に対する迫害の問題において良心的な判断を下すことができるならば、恐怖を感じるのはまさに窮地にある中国共産党であろう。

(編集翻訳・大紀元日本グループ)
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