<赤龍解体記>(50)2012年の中共の政治情勢を予測するためのいくつかの要素(三)

2012/01/30
更新: 2012/01/30

【大紀元日本1月30日】今秋開催される中国共産党の第18回全国代表大会(十八大)を迎え、中共中央軍事委員会のメンバーたちは、軍の統一と安定を強調し、年の初めから部隊の状態を念入りに視察している。

香港『文匯報』によると、年明け早々、中共中央軍事委員会の郭伯雄副主席、徐才厚副主席、梁光烈国防相らが部隊を集中的に視察し、任務の配置や指導を行い、「部隊を高いレベルで統一し、安全・安定を保つ」ことで、「第18回全国代表大会の開会を迎えよう」と指示した。

第18回全国代表大会の準備期の声明であり、軍の指導者らが団結一致を示したものと思われる。

『解放軍報』と『人民日報』はいずれもトップ記事と重要記事として、中央軍事委員会郭伯雄副主席、徐才厚副主席、梁光烈国防相が部隊を視察したことを報道している。その中で、郭伯雄副主席は、空軍と北京守備部隊を視察し、「胡錦濤軍事委員会主席は、新しい情勢下での国防と軍隊建設に関する指針を実践に移す必要がある」と強調。軍事的な戦闘の準備をさらに広げ、集中させ、軍隊の統一と安定をしっかりと保ち、非の打ち所のない功績で第18回全国代表大会の開会を迎えるよるに指示した。

徐才厚副主席は、武装警察北京総隊と海軍装備研究院を視察し「全軍と武装警察部隊は、18大の開催にあたり、党から提出された政治要求を十分かつ明晰に認識し、胡錦濤主席と中央軍事委員会の決定と指示をしっかりと貫く」よう指示した。

梁光烈国防相は、北京軍区、国防大学を視察した際「軍隊の安全と安定を確保」し、「胡錦濤主席の国防と軍隊建設の主題についての重大な戦略思想を深く学習・実行し、各種の事故や案件の発生を厳密に防ぎ、軍の正規の秩序を保持するよう指示した。

このほか、解放軍総参謀部の拡大会議において、陳炳徳総参謀長が党に全力を尽くす信念を樹立。政治上、思想上において、軍隊が高水準の安定と統一を確保しなければならないと強調した。

李継耐総政治部主任も、「軍は、党18大における組織と人事に関する準備をしっかり行い、持続的に下部組織の安定を保つよう」に強調した。

軍隊指導部の高官が口をそろえ、一斉に行動したことはきわめて異例のことである。彼らの言行から、少なくとも三つのことが読み取れると思われる。

まず、集団で一斉に団結一致を表明し、安定を厳しく要求する背後には、不安定要素や内部分裂、下部組織の混乱、造反などの兆しがある。つまり、不安定要素が民間や地方や党政に限らず、軍隊にもかなり広がり、かつ内部分裂を導く潜在的な可能性はある。

また、江沢民の牽制により、胡錦濤はこれまで軍隊の実権を手にすることができず、軍の内部での影響力がかなり希薄だったが、江沢民の健康問題や国内外による批判の高揚に伴って、軍隊も次第に江沢民から胡錦濤へと転向してきた。さらに、胡錦濤は軍の支持を得て、江沢民の前例に倣って18大の後にも、しばらく留任してもう一期の軍事委員会主席を務める可能性も大きくなる。

そして、深刻な腐敗や圧政により、国民や国際社会から猛烈な批判を受けえいる中共は現在、史上で最も深刻な政治危機に陥っている。約1億人の中国人が中共の組織から脱退を宣言している今、派閥間の紛争や内部分裂よりも、中共の崩壊を防ぐことがより最重要な緊急課題だ。軍隊もついに団結一致を呼びかけ、共同の利益を保つように舵を切ったものと思われる。

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