共産主義の終焉 共産主義の終焉

「日中国交正常化」45周年で平和と友好を再考 中国「覇権国家論」を掲げるメディア

2017/06/09
更新: 2017/06/09

最近、欧米メディアは最近のトランプ大統領による「アメリカ第一主義」により、覇権国家としての気概はなく、「中国覇権国家論」を持ち上げている。メディアが「中国を世界のリーダーに」と持ち上げる背景には、米国がアメリカ・ファーストを掲げる一方で、中国の習近平国家主席は2017年の世界経済フォーラムでの演説で、「グローバリゼーション」の継続するとの抱負を示したことなどが挙げられる。

米国「パリ協定」を離脱へ、各国の反応は

また、トランプ大統領は最近、米国は国際的な気候変動抑制の枠組みの合意 「パリ協定」からの離脱を表明し、欧州のリーダーから批判を浴びた。パリ協定には日本をふくめ世界196カ国が参加している。 加盟していないのはシリア、ニカラグアのみで、米国はここから離脱すると、世界から孤立する立場に向かうことになりかねない。

いっぽう、同時期に欧州を周遊した李克強首相は、パリ協定の保持していくとし、欧州のリーダーたちの関心を引き付けた。

外務省によると、中国は世界で最も二酸化炭素排出し大気を汚染する国であり、エネルギー需要は石炭燃焼に頼っている。その国が「国際的な責任を担う」と発言したことは、気候変動の世界指導者としてアメリカを代替する可能性があると、他国は真剣に考えられている。

遠くない将来、中国は世界をリードする真の候補者になるかもしれない。しかし、中国共産党の舵取りでは成り得ない。

中国はいまだに共産党による一党独裁政権であり、その政治的性質は、三権分立のない、不正や汚職が蔓延する専制政治体制だ。

大紀元は、世界で何千万人もの不自然死をもたらした破壊的イデオロギーである共産主義を暴露する社説シリーズ「共産主義の終焉」で、その非人道的な思想について説いてきた。

 

毛沢東による1950年代後半から1960年代初めに行った農業・工業の大増産政策「大躍進」の失敗で、国民は飢餓に見舞われ、数千万人が死亡したと言われているが、共産党はこれについて謝罪したことは一度もない。

フランスの作家ステファン・クロトワの『共産主義の黒書』(1997年)によると、共産主義の統治下で起きた集団虐殺、法を無視した処刑、強制収容などを実行した中国共産党により、推定4450万〜7200万の中国人が死亡し、神仏の敬意から成り立った中国5000年の伝統文化を、わずか半世紀で滅ぼした。

共産党の暴力的性質は、いまから28年前に発生した、北京の天安門広場で民主化を訴えた学生らを戦車や銃器で殺害した「六四天安門事件」にも垣間見ることができる。いまだに、中国国内ではこの事件の情報を探ることができない。「タンクマン(戦車男)」「六四」は、検閲当局によりNGキーワードとなっている。

中国国営メディアは最近、国の軍部が2018年6月までに病院運営など医療サービスを含むビジネスを取りやめるとした。しかし、国際人権団体フリーダムハウスの最新報告によると、中国では人民軍が運営する病院で、囚人が臓器移植用に臓器を生きたまま強制的に摘出され、殺害されているとの問題が、いまだに継続していると記している。

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この通称「臓器狩り」について調査を続ける国際団体EOP(臓器収奪停止国際ネットワーク)によると、臓器移植ビジネスは年間数十億ドルの利益をもたらしている。「強制ドナー」として臓器を採りだされたために死亡した者は、1999年、当日の江沢民国家主席が指示した迫害政策により、全国で大量に連行・拘束され、そのまま消息不明になっている法輪功学習者とされる。

「臓器狩り」問題を調査し、ノーベル平和賞候補にもなった人権弁護士デービッド・マタス氏は、2016年12月に訪日した際、「調査報告から10年以上 経過したが、日本では、一見した限りでは、中国での移植濫用に共犯することを避けるための措置はとられていない」「中国での臓器移植の濫用について、日本が問題を撲滅する姿勢を見せないのは、沈黙という共謀を示唆する」と非難している。

歴史から鑑みると、中国が共産党による独裁体制に導かれているままでは、世界には否定的な結果を招くことが考えられる。中国では、国の組織には「人民」という名詞を頭につけているが、これは国が人民に奉仕するのではなく、人民が共産党を支えるよう指示する代名詞となっている。

はたして中国共産党が世界をリードすることを、世界は許すべきか? 欧米メディアは暴力的イデオロギーに固執する共産党政権を擁護するのを、改めるべきではないだろうか。

日本と中国は、2017年に「日中国交正常化45周年」、2018年に「日中平和友好条約締結40周年」の節目を迎える。日本が中国に対してとる姿勢は、本当の平和と友好の理念に根付いているかどうか。日本のみならず、世界の国民が注視している。

(英文大紀元・ラリー・オング/翻訳編集・佐渡道世)

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