米中関係からみる世界

パリ協定支持する中国 グリーンビジネス拡大の策

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 米国がパリ協定から離脱すると発表した後、中国外交部の華春瑩報道官は同日の記者会見で、「責任を果たす大国」としてパリ協定を引き続き支持し、「100%」自らの義務を実行をしていくと述べた。

 独紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」(FAZ)が報じた、中国当局がパリ協定を支持する主な理由として、パリ協定自体は中国経済に大きな打撃を与えないことと、米国の離脱はちょうど、これから国際社会を牛耳る新覇者になるという中国当局の野望の実現にチャンスを与えたことを挙げた。

広がる太湖の水質汚染 改善に奔走する「太湖の護衛」
中国江蘇省に住む環境保護活動家の呉立紅氏

 また同紙は、中国当局がパリ協定への支持を示したのは国内環境汚染に強い不満を持つ国民への「政治的」パフォーマンスだと指摘した。中国国内各地では、深刻な環境や大気汚染が原因で大規模な反政府デモが頻発している。当局がこの機会を利用して大気汚染を対応すると表明しなければ、「『政治的な自殺』を招くだろう」という。

 さらに、同紙は中国当局が約束通りに、「100%」パリ協定を実施できるかどうかに疑問視する。

 中国江蘇省に住む環境保護活動家の呉立紅氏は新唐人テレビに対して、「中国当局が口で約束したが、実際にその通りに実行するかどうかに対して非常に心配している」と話した。

 1990年から地元の政府や中央政府に対して地元の環境汚染の実態を訴えて対策を求め、また企業からの汚染物を不法排出する問題を暴いてきた呉氏は、2007年に当局に身柄拘束された後、「詐欺罪」として不当判決され、3年間の懲役を言い渡された。

 呉氏は「今中国の体制では、(環境汚染の)実状を口にすると、私のように外国に行くことが許されず、当局からの監視と嫌がらせなどを受けなければならない」と述べた。中国当局は、地球環境のため、あるいは国民の健康のために、大気汚染や環境汚染に真摯に対応していくことが今後もないと示した。

 米メディアのラジオ・フリー・アジアによると、海外にいる中国学者らは、中国経済は現在も石炭火力発電に依存しているため、パリ協定で掲げたCO2など排出削減目標の実現は難しいと懸念する。

 いっぽう、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、パリ協定に対して引き続き支持すると表明した中国当局とEUの目的は違うとの見解を示した。同紙は、中国当局は今後世界最大なクリーンエネルギー技術国と最大なグリーンボンド(資本市場から温暖化対策や環境プロジェクトなどの資金を調達するために発行される債券を指す)発行国になる野心も持っており、パリ協定を世界市場へのアクセスとして利用したい思惑があると分析した。

トランプ政権は大統領令を発布して離脱へ

 米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)放送局は、オバマ前大統領はパリ協定について、国会での審議を受けずに、大統領令を発動して協定の締結を決めたため、同協定からの離脱を決定したトランプ政権も、同様に国会での議論を省くことができるとした。

 しかし、米国が正式にパリ協定から離脱できるのは2020年11月に入ってからだ。同協定第28条規定では、離脱を希望する締結国は同協定発効3年後に、はじめて書面通知を出すことができる。またさらに1年の待機期間を経て、やっと正式に離脱することができるという。

 2001年3月末に、ブッシュ政権も前クリントン政権が締結した気候変動国際枠組議定書「京都議定書」からの離脱を発表した。

(おわり)

(翻訳編集・張哲)