THE EPOCH TIMES

中国農村部の子ども半数、知能発達に遅れ=米スタンフォード大研究

2017年09月28日 18時00分

 中国貴州省安順市にある、人里離れた小さな農村。羅(ルオ)家の幼い四人きょうだいは、自分たちで食事を作り、洗濯し、飼牛の世話をする。両親は都市へ出稼ぎに出ており、祖父母は一日中、畑仕事に忙しい。家から離れた小学校に通ってはいるが、ほとんど大人の監護を受けることなく暮らしている。地方の貧困家庭に生まれ、親と離れて暮らす留守児童だ。

 科学誌『サイエンス』によると、農村と教育について研究するカリフォルニア州スタンフォード大学教授スコット・ロゼル教授らの研究グループは30年来、中国で調査を進めている。多くの農村部の子どもは健康上に問題があり、約半数には知的発達遅滞の疑いがある。農村部出身の児童は、3割以上が中学校に進学せず、IQが90を下回る。彼らは、電子化が著しく進む中国現代社会において「認知障害」とみなされる恐れがあるという。

 また、中国の人口の3分1は、幼少期に精神衛生や教育環境で、大人に保護されていない孤独、児童労働など、脳の成長と発達を阻害する要因に置かれているとした。

 中国政府は、世界の製造大国としての地位を築くことを目標に掲げる『中国製造2025』のように、ハイテク技術と電子機器製造で世界の市場占有率の拡大を狙うが「実は中国は人的資源に乏しい国だ」と、ロゼル教授は指摘する。

 発展途上初期の中国ならば、生活に大きな支障は生じなかった。文化大革命で教育を受けていない現代の中高年層は、単純労働の工場作業員や、各地で農業従事者になり生計を立てた。

中国貴州省安順市にある、人里離れた小さな農村。羅(ルオ)家の幼い4きょうだいは洗濯中(Kavin Frayer/GettyImages)

 11歳、10歳、8歳、5歳の羅家の四人きょうだいは、ときに祖父母の農業も手伝う。年長の11歳と10歳の二人は、細身の身体より大きな籠を背負って山を越え畑に行き、農作物を収穫する。文革の最中に生きた祖父母世代は、識字率が低く、家庭教育は施せない。農村部では、時に少年少女が幼い兄弟をおんぶして学校に通う姿がみられる。

 中国の都市人口は著しく増大しているが、農村人口は減少し、多くは貧困にあえいでいる。世界銀行によると、農村部の7000万人以上の人々が、1日1ドル以下で生計を立てている。

 2010年の中国国勢調査によると、中国の働く世代76%が高校に通っていない。農村と都市格差も大きい。同調査では、都市部出身者は37%、農村部出身者は8%しか高等教育を受けていない。農村部の一人当たりの所得は、2017年前半で平均月1090元(約1.8万円)であったのに対し、都市部は月3050元(5万円)だった。

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