[ワシントン 19日 ロイター] – 米商工会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は19日、トランプ政権が北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉でメキシコのほかカナダとも合意し、向こう数週間で欧州との通商問題で進展を得られれば、全面的な通商戦争は回避できるとの考えを示した。
ドナヒュー会頭はクリスチャン・サイエンス・モニターが主催した朝食会で「通商戦争が現在、最大の脅威となっている」と指摘。現時点ではまだ現実のものとはなっていないとしながらも、トランプ大統領がこれまでに発表した対中関税措置をすべて発動させ、NAFTA再交渉協議が決裂した場合、通商戦争が現実のものとなる可能性はあると述べた。
ドナヒュー会頭は中国との通商を巡る見解の相違解消には時間がかかる可能性があると指摘。ただトランプ政権が対中関税措置を恒久的なものにするとは考えていないと述べた。
その上で、報復措置に依存するのではなく、協議を継続することが米中両国のためになるとし、特定の中国製品の米国への輸出制限措置の導入のほか、中国の通商政策の変更に向け他の貿易相手国と協力するなど、関税措置以外の手法で中国に圧力を掛けることも検討する必要があるとの考えを示した。
NAFTA再交渉を巡っては、米国はメキシコと合意したものの、カナダとの交渉は難航。ただ、ドナヒュー会頭は「カナダが参加しない協定はあり得ない」との考えを示した。
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