情報BOX:3選した安倍首相の日程、日米首脳会談など課題山積

2018/09/20
更新: 2018/09/20

[東京 20日 ロイター] – 自民党総裁選が20日投開票され、安倍晋三首相が連続3選を果たした。任期は2021年9月までの3年間。首相は国連総会から帰国後、10月上旬に内閣改造を断行し、新布陣で今後の政策課題に挑む。9月下旬に予定されている日米首脳会談では、貿易不均衡の是正問題が焦点となり、正念場は早々に訪れる。

経済政策運営では、年末にかけての来年度当初予算案の編成が焦点だ。19年10月予定の消費増税を控え、反動減対策を盛り込むため、一般会計の歳出総額が初めて100兆円を超える可能性がある。もっとも、11月14日に発表される7─9月期の実質国内総生産(GDP)1次速報を踏まえ「再度、増税(の可否の)判断が行われるのではないか」(政府筋)との観測も浮上。経済成長と財政再建をどう両立させるかが課題となる。

首相は、総裁選勝利の余韻に浸る間もなく、厳しさを増す内外情勢の中で、その真価が問われることになりそうだ。

◎9月25日

安倍首相、ニューヨークでの国連総会の一般討論演説に出席。

トランプ米大統領との首脳会談は日程を調整中。トランプ大統領が日本の貿易黒字削減で具体的な対応を求めた場合、日本側が対応に苦慮する展開も想定される。

茂木敏充経済再生担当相は、その前後でライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と日米通商協議(FFR)を開催する方向。

◎9月30日

沖縄県知事選 普天間基地の辺野古への移転を推進する政府・与党にとって、与党推薦候補の勝利は、移転促進に弾みをつけ、政権浮揚にもつながると意気込む。もし、敗北した場合、3選後の安倍政権の先行きに暗い影を投げることになりかねない。

◎10月上旬

国連総会から帰国後、速やかに内閣改造に着手し、第4次安倍改造内閣が発足へ。台風や地震など相次ぐ自然災害の復旧作業を本格化させるため、「首相が組閣後に2018年度補正予算の編成を指示する可能性がある」(政府筋)。

◎10月18─19日

安倍首相、ベルギーのブリュッセルで開かれるアジア欧州会議(ASEM)首脳会合に出席。

◎10月23日

安倍首相、中国を訪問予定。政府筋によると23日を軸に日中首脳会談の開催を調整している。

◎10月下旬

臨時国会召集。国会筋によると「召集日は通常、月曜か金曜。外交日程などを考慮すれば、最速で26日の開会になる」という。

◎11月14日

2018年7─9月期、実質国内総生産(GDP)1次速報。政府内には「GDPを踏まえ、来年の消費増税を巡る判断が行われるのでは」との声も。自然災害の影響で、マイナス成長を予測する民間エコノミストもいる。

◎11月17─18日

パプアニューギニアで、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議を開催。

◎11月30日─12月1日

ブエノスアイレスで20カ国・地域(G20)首脳会議。閉幕後、日本がアルゼンチンから議長国を引き継ぐ。

◎12月中下旬

国際機関への拠出金などを含む2018年度第2次補正予算(事務補正)、2019年度当初予算の編成および閣議決定。消費増税を再び延期する判断がなければ、当初予算に反動減対策を盛り込む。一般会計の歳出規模が初めて100兆円を超える可能性もある。

(梅川崇 編集:田巻一彦)

Reuters
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