防災・減災、国土強じん化対策「年内に取りまとめ」=安倍首相

2018/10/24
更新: 2018/10/24

[東京 24日 ロイター] – 安倍晋三首相は24日、臨時国会の冒頭で所信表明演説し、記録的な豪雨など自然災害が相次いだことを踏まえ、防災・減災、国土強じん化対策を年内に取りまとめると語った。2019年10月の消費税率引き上げに向けて「あらゆる施策を総動員する」ことも重ねて表明した。

首相は所信表明で「強い日本をつくる」と強調し、自然災害からの復旧を加速するのと同時に、「治山・治水、ため池の改修など、防災・減災、国土強じん化のための対策を年内に取りまとめ、3年間集中で実施する」と述べた。

看板政策に掲げる「全世代型社会保障改革」では、65歳以上への継続雇用の引き上げを柱とする雇用制度改革に加え、消費増税を機に幼児教育を無償化するなどし、「子どもから現役世代、お年寄りまで、すべての世代が安心できる社会保障制度へと、今後3年間かけて改革を進める」と語った。

人手不足解消に向けて即戦力となる外国人材の受け入れにも意欲を示した。「入国管理法を改正し、就労を目的とした新しい在留資格を設ける」のに併せ、「日本人と同等の報酬をしっかりと確保する」と述べた。

外交・安全保障では「国際社会と連携しながら朝鮮半島の完全な非核化をめざす」との考えをあらためて示した。拉致・核・ミサイルの問題解決に向けて「私自身が金正恩委員長と向き合わなければならない」とした上で、首相は「不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す」と語った。

日露平和条約の締結にも意欲を示し、「プーチン大統領との信頼関係の上に、領土問題を解決し、日露新時代を切り開く」と述べた。日中関係では「首脳間の往来を重ねると同時にあらゆるレベルで両国民の交流を飛躍的に強化し、日中関係を新たな段階へと押し上げる」と語った。

外交の基軸は日米同盟との考えも強調した。安倍首相はまた「強固な同盟国であるとともに、経済大国として世界の自由貿易体制をともにけん引してきた」と指摘し、こうした土台のもとで日米物品貿易協定(TAG)の交渉を開始することで合意したと語った。

その上で首相は「農産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限で、この大前提を米国と合意した。同時に、協議が行われている間は、日本の自動車に追加関税が課されないことも確認した」と述べた。「自由で公正な貿易をいっそう促進し、双方に利益が得られるような結果を出す」と強調した。

Reuters
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