大紀元時報

ニセ「商談」で外国企業機密を入手 契約間近で消える中国企業=イスラエルメディア

2018年11月23日 13時39分

イスラエルで中国企業はビジネス交渉や協力関係の強化を名目に、同国企業が開示した企業機密を盗み出していると、同国メディアが報じた。世界第2のシリコンバレーとも例えられるイスラエル。近年、技術移転の強要や知的財産の盗用問題が露呈して、欧米への接近が難しくなった中国共産党政権は、この中東のハイテク先進国家に接近している。

中国政府は、先駆的技術を持つイスラエルへの投資を拡大してきた。英BBCによると、医療用レーザー技術で知られるアルマレーザー社、医療技術ルメニス社、画像認識開発コルティカ社を含め、多くの技術企業の株式を取得した。

ロイター通信によると、2016年の中国政府による対イスラエル投資は1615億米ドル(約17兆7千億円)に達する。中国のファーウェイ(華為)、レノボ(聯想)、シャオミ(小米)はイスラエルに研究開発センターを設置し、電子商取引大手アリババも大規模な投資を行っている。

米国シンクタンクの外交専門家は、中国共産党はイスラエルの技術力とイノベーション能力を狙っていると指摘する。実際、中国商務部の公式文書によると、イスラエル投資の目的は「科学技術共同研究プロジェクトの成功」にあるという。

エルサレムの古都にある神殿をVRゴーグルで鑑賞する観光客(THOMAS COEX/AFP/Getty Images)

イスラエルから技術を取得する ニセの「商談」

 

イスラエルのメディアYnetニュースは7月下旬、調査報道を行い、中国企業がイスラエルの企業に近づき、企業機密を取得していると報じた。

イスラエルのあるセキュリティ企業CEOによると、中国側との会議は常に4~6人の部門別「代表者」から成り、話すのは一人だけ。英語ではなく中国語を話し、通訳を介して会議が行われる。

「通訳がついているが、私が見た限りでは全員が英語をよく理解できているのは明らかだ。通訳の話を聞かずとも、私たちの話した内容をメモしたりPCにタイプしたりしているのだから」とCEOは付け加えた。

イスラエル政府の元スパイ防止担当局高官アブナ・バーナ氏は「中国民間企業の商談や会議のなかで、中国チーム内には政府関係者がいて、優れた英語能力を持つ」と分析している。

セキュリティ企業CEOは中国の民間企業や政府の諜報部門を含め十数回以上の会議を交わしてきた。彼らは開示された情報に敏感に反応し、あらゆる情報を求めていたという。たとえば商談のなかで製品、人材、販売や営業形態などあらゆる情報を聞き取り、記録する。

CEOによると、中国チームは話の流れを中国側に持っていくよう操作するのに長けていた。一様に会議の出だしには、イスラエルを称え、米国の評価を下げるという「まるで同じ台本を読んでいるかのような」セリフを使うという。

「私たちには5000年の文化がある、あなたたちユダヤ人は3500年の文化だ。アメリカはわずか200年の歴史しかなく、マクドナルドの運営(薄利多売を揶揄)に忙しい。2000年もの亡国の歴史にもかかわらず、イスラエルには文化が保たれていることを称えたい。私たちには共通する歴史が多いでしょう…」

奇妙なことに、契約が取りまとめられる直前になると、中国チームとは連絡が取れなくなる。

イスラエルのあるインターネット関連企業のマーケティング部代表も、「中国企業が契約前に姿を消した」ケースをYnetニュースに明かしている。

中国企業は、交渉の「信頼性」を高めるためにイスラエル企業に数百万ドルの前金を払った。この「誠意」への期待感から、イスラエル側も多くの交渉材料を提示する。しかし、交渉が発展段階に進むと、またしても中国チームは失踪する。こうした例を多くのイスラエル企業は経験している。

「つまり、中国チームはイスラエル企業の製品を購入する気はなく、商談や交渉を通じて企業機密を集めるスパイだ」「ビジネスモデルや技術情報、顧客情報、企業機密など情報を得たら、消える」と、前出のセキュリティ企業CEOは語る。

 

イスラエル企業は、中国の諜報活動の巧妙さに気付いていない。ある日、中国代表団がヘルズリヤを訪問し、大手セキュリティ企業の買収を提案した。提示金額は「天文学的な数字」で、西側企業の示した最高額の4倍に当たるという。

会議参加者のイスラエル企業関係者によると、中国団の不審な行動を目撃した。「交渉の途中、ある中国企業マネージャーは何も言わずに離席し、カバンを持って会議室から出た。私はその姿を追うと、彼は建物内をウロウロとさまよっていた。盗聴かサイバー工作のための情報伝送装置をつけに行くためだと思う」

北京を訪問する際も、イスラエル企業の情報は狙われている。ある企業のCEOは北京で中国情報局関係者と会談を行った。普段使う携帯電話やパソコンを持ち込まず、最小の情報を入れた機器で対応するなど、「あらゆる情報保護のための対策」をとった。

しかし帰国後、すべての電子機器から大量の悪意あるソフトウェアが検知されたという。「ウィルスなどを一掃できるかわからないため、すべての機器を捨てざるを得なかった」

中国による不公平な貿易取引、強制的な技術移転、知的財産盗用に対して、米トランプ政権は外国投資を大幅に見直した。企業買収にもストップをかけ、米国開発技術の漏洩を防ぐために輸出規制も行った。中国からの科学技術分野の留学生、研究者の米国ビザ規制措置も採った。

ドイツはインフラ入札には外国企業の占有率を25%以下にする法案を可決した。オーストラリアも外資による送電網や農地取得に上限を設けるなどの規制をかけている。

こうした西側諸国の動きのなかで、イスラエルは、まだ中国共産党政府による浸透工作やスパイ犯罪に対する警戒心がトランプ政権の米国ほど高くなく、信頼関係に基づいたビジネスに期待して、中国企業に企業機密をだまし取られる恐れがある。イスラエルは中東一の親米国でもあり、中国共産党が西側のハイテク産業の機密を得るための「裏口」になりかねない。

(編集・佐渡道世)

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