米軍制服組トップ、軍への協力に消極的なグーグルに苦言

2018/12/07
更新: 2018/12/07

[ワシントン 6日 ロイター] – 米軍の制服組トップであるダンフォード統合参謀本部議長は6日、アルファベット<GOOGL.O>傘下グーグルのようなハイテク大手が国防総省への協力に消極的な一方で、相対的に自由度が低い中国での事業を推進していることに苦言を呈した。

ダンフォード氏はイベントで、「中国では自由度が限られ、企業の知的財産が盗まれるのは分かっているのに、善良な米国側が中国でビジネス上の利益を推進するために譲歩するというのは理解し難い」と述べた。

中国問題を担当するグーグルの広報担当者はコメントの求めに応じていない。サンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はこれまで、中国への投資は継続するが、ヘルスケアやサイバーセキュリティーといった分野で米政府との協力も続ける考えを示している。

グーグルは10月、国防総省の100億ドル規模のクラウドコンピューティング契約入札に参加しないことを決めたと発表。同社の人工知能(AI)に関する指針に沿っていることが確認できなかったことが一番の理由だとしている。

6月には、無人機(ドローン)で集めた映像データを解析する米軍の「メイブン計画」への協力に関する契約を更新しないと表明。社内で抗議活動が広がった経緯がある。

一方、中国向けには、中国政府が検閲して問題ないと判断した情報のみを表示する検察エンジンの開発を進めている。これについては、現・旧社員、人権団体、米議員などが、政治的に不都合とみなす情報を排除しようとする中国政府の方針にグーグルが断固反対しないことを批判している。

ダンフォード氏は「グーグルの社員がロシアあるいは中国の規範や基準が中心となる世界秩序を快いと感じるとは思わない」と述べた。

Reuters
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