中国不動産市場鈍化、19の省・市で不動産投資が減速

2019/07/24
更新: 2019/07/24

中国経済が一段と失速するなか、中国国内不動産市場の低迷も鮮明となった。中国メディアは、国内19の省・市の不動産投資の伸び率が落ち込んだ一方で、一部の地方政府が不動産政策を転換したと報道した。

中国メディア「21世紀経済報道」19日付によると、中国国家統計局が公表した上半期不動産開発投資統計では、不動産企業は中国東部の大中都市への投資を増やし、中部や西部の中小都市への投資を減らす傾向が著しくなっているという。上半期、東部の不動産開発投資は前年同期比9.9%増。中部と西部の伸び率はそれぞれ0.3%と3%鈍化した。

国内31の省・市のうち、19の省・市の不動産投資の伸び率が鈍化した。山西省、遼寧省、内モンゴル自治区、甘粛省など各地の下げ幅は10%を上回った。青海省と寧夏省、南部の海南省などでは、マイナス成長となった。

業界関係者は、住宅販売の低迷、不動産開発企業の資金難を背景に、下半期の不動産投資が一段と低迷するとの見方を示した。

また報道によると、北京や上海、広東省などの住宅需要が比較的高い17の省・市の新規着工面積の伸び率も下落した。上半期の全国不動産着工面積は同10.1%増となった。昨年同期の11.9%増から減速した。

一方、中国紙・毎日経済新聞19日付は、域内の住宅販売の低迷を受けて、河南省開封市政府はこのほど、2017年5月に実施した住宅購入規制を撤廃したと報じた。同市統計局によると、2018年の市内不動産開発投資は前年比12.1%減少した。同年の市内住宅販売面積も同10.6%落ち込んだ。開封市の住宅販売業者は、一部の新規住宅物件を販売価格から約8割値引きしても、「売れなかった」と話した。

昨年12月18日、山東省菏澤市政府は、地方政府の中で最初に住宅購入規制を取り消した。

広東省深セン市政府はこのほど、同市の新規住宅と中古住宅の成約平均価格などの情報を公開しない方針を明らかにし、代わりに国家統計局が発表する「70の大中都市商品住宅販売価格変動状況」のデータを使用するという。

中国メディアによれば、市政府傘下の深セン市不動産情報プラットフォームはインターネットで、毎日と毎月の新規住宅・中古住宅の成約状況を含む市場データを開示している。同市不動産市場のバロメーターになっている同サイトは、今年4月から、新規住宅および中古住宅の成約平均価格・成約金額について発表しなくなった。

金融アナリストの任中道氏は大紀元に対して、深セン市の不動産情勢は全国に大きな影響を与えるため、「市場の混乱を回避するために、市が統計データの公開を取りやめたのではないか」と分析した。

「住宅成約量の激減で国民は心理的に強い打撃を受ける一方、住宅価格が引き続き高騰していれば、国民の怒りを招くことになるからだ」

(翻訳編集・張哲)

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