大紀元時報

焦点:香港区議選で民主派圧勝、中国政府に新たな「頭痛の種」

2019年11月28日 14時19分
11月25日、香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことで、何カ月も続く香港のデモに手を焼いていた中国政府に新たな頭痛の種が生まれ、香港の林鄭月蛾(キャリー・ラム)行政長官はさらに厳しい局面に立たされつつある。写真は香港理工大の外に集まった、区議会議員選で勝利した民主派候補者ら(2019年 ロイター/Adnan Abidi)
11月25日、香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことで、何カ月も続く香港のデモに手を焼いていた中国政府に新たな頭痛の種が生まれ、香港の林鄭月蛾(キャリー・ラム)行政長官はさらに厳しい局面に立たされつつある。写真は香港理工大の外に集まった、区議会議員選で勝利した民主派候補者ら(2019年 ロイター/Adnan Abidi)

[香港 25日 ロイター] - 香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことで、何カ月も続く香港のデモに手を焼いていた中国政府に新たな頭痛の種が生まれ、香港の林鄭月蛾(キャリー・ラム)行政長官はさらに厳しい局面に立たされつつある。

選挙前にはデモ参加者の1人が死亡したことなどを巡り、デモ隊と警官隊が激しく衝突する場面が見られた。

しかし24日の選挙当日の香港は最近にないほど平穏な雰囲気に包まれた。そして登録有権者の4分の3前後に当たる300万人が投票に向かった結果、全452議席のうち最終的に400議席近くを民主派が獲得した。4年前の選挙では民主派の議席は100しかなかった。

中文大学の政治学者Ma Ngok氏は「追加登録した100万人が、引き続きデモ隊を支持し、香港政府に不満を持っているという政治的メッセージを突き付けたとの見方が大勢だ。常に民衆の支持を得ていると主張してきた香港政府と親中派にとって、人々の本当の政治的な立場が記録的な数字で示されたことは大きな痛手だ」と指摘する。

林鄭氏は声明で、選挙結果を尊重するとともに政府は「虚心坦懐に真剣な考えをもって、人々の意見に耳を傾ける」と述べた。

区議は政治的に大きな実権を持っておらず、日常生活に関する問題を扱う仕事が大半を占める。ただ香港全域を通じた1つの勢力とみなされ、各自事務所を持ち、資金やネットワークも手に入る。こうした区議が、抗議デモによる事態打開が行き詰まり気味となっている民主派に新たな政治力行使の手段を提供するとの声も聞かれる。

<不信任投票>

再選を果たした区議のLo Kin-hei氏は選挙結果について、林鄭氏や中国政府の香港マカオ事務弁公室の張暁明主任といった香港の政治指導層に対する事実上の「不信任投票」だったとの見方を示した。また区議には年間でおよそ100万香港ドル(12万7797米ドル)の手当てが支給されるので、抗議行動を持続するための資金にできる可能性もあると話す。

一方、ロイターがこの夏に入手した林鄭氏の発言の音声記録を踏まえると、同氏が柔軟に動ける余地は依然として「非常に限定的」だ。一部の専門家は、林鄭氏が今後、民主的な改革や警官の暴力行為に関する独立的な調査といったデモ隊の要求に応じるよう一層強く求められることになる。

警察のデモ参加者への対応のひどさは、これまでに起きた衝突の大きな要因の1つとみなされてきた。

さらに中国が1997年に英国から香港を返還された際に高度の自治を付与すると約束したものの、その後香港の自由が中国にじわじわと浸食されていることも、人々の怒りを増幅し、現在の政治危機をもたらした面がある。

もっとも中国側は、今まで打ち出してきた強硬な姿勢からすると、短期的に何らかの譲歩に踏み切る公算は乏しい、と専門家はみている。

デモ隊が掲げてきた主な要求のうち、既にかなえられたのは逃亡犯条例改正案の正式な撤回だけだ。デモ隊の覆面を禁じる規則が香港の憲法に当たる「基本法」に反すると香港高裁が判決を下すと、すぐに中国の全国人民代表大会(全人代)が香港の裁判所に基本法違反の判断権はないと一蹴した。

それでも今回の区議選は、再三にわたる暴力的な行動があってもなお、デモ隊が民衆に支持され続けている現実を浮き彫りにした。多くの有権者は、人々が疑念を持っていた逃亡犯条例改正に賛成した親中派に「鉄鎚」を下したかったと明かしている。

(James Pomfret記者)

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