大紀元時報

<評論>中共肺炎、中国は「盟友」ロシアと北朝鮮の厳格措置にダンマリ

2020年03月09日 17時38分
2020年2月、赤の広場近くにあるメリーゴーランド前に立つ中国系観光客(GettyImages)
2020年2月、赤の広場近くにあるメリーゴーランド前に立つ中国系観光客(GettyImages)

武漢発の中共肺炎(新型肺炎とも呼ぶ)の発生後、多くの国が中国からの外国人に入国規制を科した。中国共産党は「過剰反応だ」「世界保健機関(WHO)の勧告に即していない」などとして批判した。中国外務省の報道官や公式メディアは、米国をこぞって批判し「親切ではない」と繰り返し非難した。いっぽう、関係の近い北朝鮮とロシアはどのような態度をとったのだろうか。

世界で最初に国境閉鎖し、「射殺」を指示する北朝鮮

 

1月22日、北朝鮮はすべての外国人観光客の入国禁止を発表した。実質、この措置には中国のビジネス目的の訪問者や政府代表団が含まれており、入国禁止措置といえる。同時に両国間の国境を封鎖し、飛行と列車を制限し、1カ月間、平壌で数百人の外交官に隔離を命じた。

ロイターによると、3月初、中国の吉林省吉安市の住民は、地元政府から北朝鮮との国境に接近しないよう通知を受けた。北朝鮮兵士に撃たれて殺される危険があるという。地元飲食店店主が、ロイター通信に情報を提供した。

インターネット上で流通している北朝鮮の通知によると、当局は流行予防を「最高特別レベル」に引き上げ、中国に国境管理の強化と「違反した場合の発砲」を要請したと書かれている。

吉安市政府は3月5日、この報道は事実ではないと伝えた。

ロシア、中国人を強制連行して隔離措置

ロシアも早期に一部の中国との国境を閉鎖し、空の便を停止し、ビザ発給の停止を決めた。ロシアのミシュスキン首相はまた、感染した外国人を国外追放すると警告した。ロシアは、中国人を対象とした多くの措置を公式に取った唯一の国でもある。

2月19日、モスクワの地下鉄と公共交通システムはすべて、交通機関運営社側に「車内で中国人を発見した場合は直ちに通報」との指示をされた。モスクワ警察は、街や公共の場で、中国人を見かけた場合、尋問している。中国人には、ロシア滞在中の住所、ロシアに入国した日時、個人番号、連絡先などを記入させている。

モスクワ在住の中国人によると、ロシア警察は大学の宿舎で何度も検問を繰り返し、中国人留学生の情報を登録したり、顔を撮影してシステムに入力したりしている。隔離期間を過ぎたとしても、留学生や在ロシア労働者の相当数が強制的に隔離されているという。

VOAによると、ロシア警察は夜中にも中国人の滞在する宿舎を訪れ、玄関扉を叩き、救急車で搬送して専用施設に収容しているという。モスクワの一部の中国人は、検査や隔離命令が、中国人を追い詰める警察およびロシア当局の「法的根拠」になっていると考えている。

2月28日、モスクワのバレリー・シャンツェフ副市長は、強制隔離規則に違反したとして、80人の中国人の強制送還を発表した。

中国ソーシャルサービス微信のグループ「补台刀」では、在ロシアの中国人による「検査と連行」の具体的な例が書き込まれた。連行された人々は、深夜でパジャマ姿だったり、展示会場出展者であるビジネスマンだったり、モスクワの赤の広場を見学中だったりするという。

中国統一戦線組織の一部である、ロシア中国有志連合代表である許文騰氏は「补台刀」での書き込みで、強制送還された80人は、公共の場に設置された、顔認証システムで通報されているという。次に、それぞれ遠隔ビデオを使った刑事裁判を受ける。いずれも5000~1万ルーブルの罰金が下り、向こう5年間は入国できないという。

ビデオ裁判を受けた中国人留学生は、ロシアの裁判では言語の補助などのサポートはなく、訴訟は困難だという。裁判後、中国留学生がロシア語の判決文に署名するのを拒否すれば、警察によって強制的に指紋採取される。

北朝鮮とロシアにおとなしい中国共産党

2月24日、中国大使館はモスクワ当局に書簡を送り、ロシア在住の中国人に恐れさせる措置や差別をやめ、中ロ友好関係を考慮するよう求めた。2月28日、ロシアのペスコフ大統領報道官は 「これは中国人に対する差別ではないだろう」として、ロシアの感染症政策を尊重するよう中国に求めた。

3月1日、駐ロシア中国大使館は声明で「ロシア当局、モスクワ警察による暴力的な法執行や隔離者のいじめ、中国人を無断連行、といったうわさは事実無根」とした。声明によると、警察に連行された中国人は全員ロシア防疫規定違反の疑いがあり、隔離されたのは中国国民だけではなく、ロシア国民やその他の国の国民も侵害されているという。大使館はすべての中国人に対し、デマを信じず、広げないよう注意を呼びかけた。

今回の中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染症の蔓延で、中国に対する北朝鮮とロシアの態度に、中国のネットユーザーも注目している。大陸のネット利用者は、「口うるさい中国おばさんは、どうして駐中国ロシア大使館の役人を呼びだし抗議しないのか」「ロシアは中国の200数万平方キロメートルの領土を占領している中国最大の敵だ。中国共産党の五毛(当局のネット世論操作人員)が彼らを『父』として認めている、おかしな話だ」と皮肉った。

中国共産党は北朝鮮を、共産主義の「血を分けた弟」として扱い、何十年もの間、手厚い金銭と物資の援助で支えている。朝鮮戦争では18万人以上の中国兵士が戦死し、30万人が負傷した。

いっぽう、北朝鮮やロシアの態度は、日本や欧州など外交関係の尊重を重視した対応とは異なり、中国を信頼関係のある国として見なしていないかのように酷な対応だ。

北朝鮮とロシアは、中国と表面的な友好関係や同盟関係を、それぞれの政権の利益のために結んでいる。たとえば一部では、米国を代表とする西側諸国に対抗しようとしている。お互いに利用しようとしているのだから、「真の友情」などあるはずがない。今回の疫病が発生した時、北朝鮮とロシアは他の国に比べて中国共産党の性質、つまり情報の隠ぺいをよく知っているため、公表された感染症の状況を信用せず、「旧友」に容赦ない対応をとった。

あるネットユーザーは、中国共産党は米国人の渡航制限やビザ発給制限をひたすら非難しているが、国境を最初に閉鎖した北朝鮮に対しては一言も発言していない。

(程曉容/翻訳編集・佐渡道世)

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