ベラルーシ、民主化要請「無視できず」 情勢を注視=米政府高官

2020/08/18
更新: 2020/08/18

[ワシントン/ブリュッセル 17日 ロイター] – 米政府高官は17日、大統領選挙を巡る抗議行動が続いているベラルーシについて、民主化を求める国民の声を「もはや無視できない」状況になっていると米政府は判断しているとし、情勢を緊密に注視していると述べた。

政府高官は匿名を条件に「大勢のベラルーシ国民が平和的な抗議活動を繰り広げていることは、ルカシェンコ政権が民主化を求める国民の声をもはや無視できないことを明らかに示している」と述べた。

その上で、ロシアは「ベラルーシの主権、およびベラルーシの国民が自由かつ公正に自国のリーダーを選ぶ権利を尊重する必要がある」と述べ、ロシアは介入するべきではないとの考えを示した。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は17日、権力を分かち合う用意があるとし、譲歩を表明。これに先立ち、大統領選で敗北したチハノフスカヤ氏は、ベラルーシを率いる用意があると表明し、新たに公平な大統領選挙が実施できるよう法的メカニズムの構築を訴えていた。

米政府高官はルカシェンコ氏の譲歩表明について、民主化を求める声を無視できないと認識したことを反映しているとの見方を示しながらも、「権力を分かち合うことは、自由で公正な選挙が実施されていないことの解決につながらない」と語った。

トランプ大統領はベラルーシ情勢について「ひどい状況になっている」と述べた。

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長もこの日、ベラルーシ情勢を注視していると表明。「NATOはベラルーシに対する脅威とはなっておらず、この地域に軍を展開していない。完全に防衛上の観点から情勢を緊密に注視しており、NATO加盟国に対するいかなる攻撃も抑止する用意を整えている」と述べた。

Reuters
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