ハリケーン「ローラ」がカテゴリー4に、米南部の石油施設停止

2020/08/27
更新: 2020/08/27

[ガルベストン(テキサス州) 26日 ロイター] – 米国立ハリケーン・センター(NHC)は26日、米国に接近中のハリケーン「ローラ」が勢力を強め、5段階のうち2番目に強い「カテゴリー4」に発達したと発表した。製油所が集中するテキサス州とルイジアナ州の州境近くのメキシコ湾岸に壊滅的な被害と「生存不可能な高潮」をもたらすと予想されている。

ローラは26日午後時点で、テキサス州ポート・アーサーから南南東に320キロ離れた地点に位置し、最大風速は61メートル。現地時間27日午前0時(日本時間午後2時)前後に上陸する見通しで、風速は約67メートルまで強まると予想されている。

テキサス州とルイジアナ州では約60万人以上が避難している。

ローラの進路と勢力は、2005年に180億ドル以上の被害と120人以上の死者を出したハリケーン「リタ」に類似している。

ローラの予想進路には、米4番目の都市であるテキサス州ヒューストンは入っておらず、現地の製油所の一部は操業を継続している。ただ、石油施設が集中するテキサス州とルイジアナ州の州境沿いの地域が暴風雨に見舞われるとみられている。

NHCは中心から最大で半径97キロが暴風域に入ると予想しており、6つの大規模製油所および天然ガス処理施設がその圏内にある。液化天然ガス(LNG)輸出で米最大手シェニエール・エナジー<LNG.A>は予想進路の近くにある施設の従業員を避難させ、ルイジアナ州のLNG事業「キャメロンLNG」も同州のプラントを閉鎖した。

26日は6カ所の製油所が操業を停止。6施設合計の原油処理能力は日量約233万バレルで、国内精製能力の約12%を占める。

シェブロン<CVX.N>、エクソンモービル<XOM.N>、バレロ・エナジー<VLO.N>、トタル<TOTF.PA>、モティーバ・エンタープライズ[MOTIV.UL]が26日にメキシコ湾周辺の製油所の操業を停止した。

湾岸では、26日に310の石油生産施設が閉鎖され、オフショア生産量の84%に当たる日量156万バレルの生産が停止。天然ガス生産は61%が停止された。

*内容を追加しました。

Reuters
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