大紀元時報

光海底ケーブル、華為海洋がシェア拡大 安保リスクに米警戒

2020年11月03日 16時52分
フランスのAlcatel Groupによる海中光ファイバーケーブルの敷設工事が行われる。2016年撮影、参考写真(GettyImages)
フランスのAlcatel Groupによる海中光ファイバーケーブルの敷設工事が行われる。2016年撮影、参考写真(GettyImages)

光ファイバー海底ケーブルは、デジタル時代の最も重要なインフラの1つとされており、世界の95%以上のインターネット情報の伝送を担っている。中国はここ数年来、西側諸国が主導するこの領域で急速に台頭している。ネットワークセキュリティの潜在的危険性に米国が高い関心を寄せている。

全世界の約400本の光海底ケーブルの中で、中国企業のチャイナ・テレコムや華為海洋が、105本を建設またはアップグレードした。

「光海底ケーブルは、国際的なインターネットの最も重要な構成要素の1つだ。ケーブルを切断したり、取り壊したりすれば、インターネットは存在しなくなる」と、ニューヨーク大学ジャーナリズム、文化とコミュニケーション学の教授で『海底ネットワーク』の著者であるニコール・スタロシェルスキー(Nicole Starosielski)氏は語る。衛星を介してインターネットに接続もできるが、まだ、普及していない。

華為海洋がトップに躍り出る

海底ケーブル敷設は深海作業、光学伝送など多くの先端技術に関わるため、ネットワークインフラ分野では最も複雑で困難なプロジェクトの一つとされる。このため、海底ケーブル敷設が可能な国は数カ国に限られる。

ワシントンに本拠を置くテレジオグラフィー(TeleGeography)社は、「世界の海底ケーブル地図」を作るコンサル企業だ。同社の最新統計によると、現在、世界に計406本の海底ケーブルがある。同社リサーチ部門のディレクターであるアラン・モールディン(Alan Mauldin)氏は、華為海洋の市場シェアはまだ小さいものの、海底ケーブル敷設の世界トップ4企業に数えられると述べた。

「世界の海底ケーブルの大半は、米国のサブコム(SubCom)社、フランスのアルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)社、日本電気 (NEC)、中国華為海洋の4社で敷設されている」という。

華為海洋は中国通信機器大手・華為技術の子会社だったが、昨年6月に米国が華為に対する一連の制裁措置を開始したのを受けて、華為はこの会社を電力と光ファイバーケーブル製造の最大手・江蘇亨通光電に売却した。亨通は民営企業だと説明されているが、創業者の崔根良氏は、同社共産党委書記、理事局主席、総裁などを兼任している。

華為海洋のホームページによると、同社はこれまでに世界中で105本の海底ケーブルを建設またはアップグレードした。近年、華為海洋が、南アフリカからイギリスまで、アフリカ西海岸に沿って14カ国に高速ネットワークサービスを提供する西アフリカケーブルシステム(WACS)を建設した。

華為海洋は2008年に設立された。中国情報通信研究院は2020年5月に発表した報告書の中で、2018〜20年に建設中と計画中の海底ケーブルプロジェクトで計算すれば、同社の世界シェアは現在、約20%まで上昇した。

中国共産党機関紙・人民日報のこのほどの報道によると、中国企業は海底ケーブルの敷設面で世界の重要なインテグレータになっているだけでなく、ケーブル伝送の光通信技術は「高い」として、光ファイバーケーブルの製造・販売数量は「世界シェア50%以上を占める」という。

中国のケーブルセキュリティリスク

華為のモバイル通信設備に比べると、中国企業が製造する海底ケーブルのセキュリティ問題は取り上げられていない。ここ数カ月、米国はこの問題について対応している。

米司法省は2020年4月、国家安全保障上の理由で、太平洋を横断する光ケーブルの香港との接続に反対すると表明した。パシフィック・光ケーブル・ネットワーク(Pacific Light Cable Network、略してPLCN)と呼ばれるこの計画には、SNS大手のフェイスブックやグーグルなど、米国の複数のテクノロジー企業が参加している。

当初の計画では、香港側のケーブル陸揚げ局(Cable Landing Station、CLS)の運営は、中国最大のインターネットプロバイダーの1つ、 ドクター・ポン・テレコム・アンド・メディア・グループ(鵬博士電信伝媒集団)が担うことになっている。米国土安全省は2020年6月、「このネットワークは香港を経由して、中国政府に米市民の個人情報と重要な商業データを収集する機会を提供する」と懸念を表明した。

米国務省は2020年はじめ、ネットワークインフラの保護を目的とする「クリーンネットワーク」構想を掲げた。これまでに40カ国以上もの企業がこの取り組みに参加を表明した。海底ケーブルも主要分野に含まれる。

米連邦通信委員会(FCC)委員のジェフリー・スタークス(Geoffrey Starks)氏は9月、委員会が敵対国やその他の敵対行為者により「通信を改ざん、ブロック、傍受できないよう情報安全を確保すべきだ」と述べ、海底ケーブルに対してより厳格な審査を行うことを求めた。

台湾国防安全研究院サイバー作戦・情報セキュリティ研究所の曾怡碩所長は、米国メディアのインタビューで、 「光海底ケーブルは攻撃やスパイによる盗聴を受けやすい」 と語った。理論上、中国政府はケーブル通信を遮断、妨害、または監視することが可能だ。

「光海底ケーブルは、アメリカをはじめとする西洋諸国が注目し始めている。中国の情報窃盗はもっとも重大なセキュリティ上の懸念だ」と指摘した。

曾氏は2019年、専門誌「国防情勢月報」に寄稿し、中国がネットワークを切断する手段として台湾を攻撃する可能性について書いた。それによると、中国は2つの可能性がある。方法の1つは、台湾と外界との関係をつなぐ「複数の国をまたぐ光海底ケーブル」を断ち切ること、もう1つは台湾のケーブル陸揚げ局を攻撃することだという。

(翻訳編集・佐渡道世)

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