予防接種中断ではしか急増、新型コロナが影響=WHO報告書

2020/11/13
更新: 2020/11/13

[ロンドン 12日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)が米疾病対策センター(CDC)と共著で12日に発表した報告書は、新型コロナウイルス感染症流行を抑えるための移動制限などのため、世界的にはしかの予防接種計画が中断されていると指摘した。今月時点で26カ国で予防接種計画が止まっており、世界全体で9400万人以上が予防接種を受け損ねる恐れがあるという。

報告書によると、既に昨年の世界のはしか感染者は約87万人と、1996年以来の最悪な水準だった。はしかの死者は20万7000人だった。集団免疫の達成に必要な95%を接種率が下回り、世界的に感染者が増加した。子どもたちに適切なタイミングで計2回の予防接種ができないでいるという。

WHOのテドロス事務局長は声明で「こうした数字は、われわれが世界中で子どもたちをはしかから保護できていないという明らかなメッセージを送っている」と述べた。

WHOと国連児童基金(ユニセフ)は今月、各国政府にはしかなどの感染症を防ぐため、直ちに行動するべきだと訴えている。

はしかの感染者数は2010─16年に徐々に減少した後、17年から再び増加し始めた。はしかウイルスは感染力が強く、新型コロナウイルスやエボラ熱や結核、インフルエンザよりも感染しやすい。

Reuters
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