東京で最多534人、新型コロナ「急速な感染拡大局面」 全国2200人超

2020/11/19
更新: 2020/11/19

[東京 19日 ロイター] – 東京都で19日、新たに534人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日の感染確認が500人を超えるのは初めてで、前日の493人を上回り、2日連続で過去最多を更新。専門家は「急速な感染拡大局面」との認識を示した。感染は東京都以外でも拡大し、NHKはこの日の感染確認が全国で2208人と過去最多となったと伝えた。

<警戒レベル最高に引き上げ>

19日に開かれた東京都のモニタリング会議に出席した専門家は「急速な感染拡大の局面だ。今後の状況を警戒する必要がある」と指摘。都は新型コロナ感染状況のレベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げた。

モニタリング会議では、医療提供体制については4段階で上から2番目の「体制強化が必要であると思われる」に据え置いた。ただ、専門家からは病床の拡充や、症状のない人などのための宿泊療養施設の受け入れ態勢を強化する必要があるとの指摘が出た。

<北海道・大阪・愛知も過去最多、「最大限の警戒状況」>

東京都以外でも感染は増加している。愛知県もこの日、新たに219人の感染が確認された。200人乗せは初めてで過去最多となった。県ではこれを受けて警戒のレベルを「警戒領域」から「厳重警戒」に引き上げた。

共同通信などによると、このほかにも北海道で266人、大阪府で338人、兵庫県で129人など多くの都道府県で過去最多の新規感染を記録。

足元の全国的な感染拡大を受けて菅義偉首相は同日朝、首相官邸で記者団に「最大限の警戒状況」にあると警戒感を示し、19、20日に開く専門家会議の議論を踏まえて、関係閣僚に効果的な対策を行うよう指示したことを明らかにした。

<GoToイート、「静かなマスク会食」を>

会食の場での感染も増えているが、飲食店の需要喚起策GoToイート事業について加藤勝信官房長官は午前の記者会見で、12月からは全都道府県でポイント事業がより大きな規模で行われることに触れ、「事業の主力として飲食需要の拡大を期待している」と指摘、東京都はその要だとして期待を示した。

政府は地方公共団体に対し、GoToイートの人数制限などの検討を要請しており、菅首相は、マスク着用や「3密」回避など基本的な感染対策の徹底のほか、飲食時も会話の際はマスクを着けるなど「静かなマスク会食」を求めた。

一方、緊急事態宣言について加藤長官は、コロナ対策分科会で感染状況と医療の逼迫状況を総合的に判断して決めると指摘。感染防止と社会経済活動の両立を図る方針を強調した。また、加藤長官は午後の会見で「GoToトラベル」について、「適切な推進を図っていく」との姿勢を示した。

*内容と見出しを更新しました。

(内田慎一、中川泉、田中志保、石田仁志)

Reuters
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