中国SNSが言論介入し、豪モリソン首相の投稿を遮断した。写真は11月17日、来日時に菅義偉首相との会談に臨むモリソン首相 (Photo by KIYOSHI OTA/POOL/AFP via Getty Images)

中国SNSが言論介入 豪モリソン首相の投稿をブロック

​中国の大手SNS「ウィーチャット」(微信WeChat)は12月3日、オーストラリアのスコット・モリソン首相の公式アカウントの投稿をブロックした。中国外務省の報道官・趙立堅氏がオーストラリア軍兵士について捏造画像を公開したことで、両国の間では外交紛争が起きている。

​モリソン首相は2日、ウィーチャットの公式アカウントを通じて、オーストラリア在住中国人に向けてメッセージを発信。趙立堅氏の行動を改めて批判し、オーストラリアのコミュニティとは区別していると強調した。

しかし、同日夜、ウィーチャットはモリソン首相の投稿をブロックした。ウィーチャットの説明によると、「扇動的で誤解を招き、客観的事実に背く文章、画像、ビデオなどを使って社会的問題を誇張している。歴史を歪曲し、大衆を混乱させる」からだという。

11月19日、​オーストラリア国防軍(ADF)のアフガニスタンにおける戦争犯罪の報告が発表された。特殊部隊の一部がアフガニスタンで39人を不法に殺したことを示す「信用できる証拠」があるという。モリソン政権は、一連の事案について説明責任を果たし、透明性を持って必要に応じて追訴を検討する、としている。

好戦的な態度を取ることで知られる趙立堅報道官は、オーストラリア兵士が子どもの首にナイフを当て、笑みを浮かべる合成画像を掲載した。

オーストラリア政府は中共ウイルス(新型コロナウイルス)について、ウイルスの発生源などに関する独立した調査が必要だと主張した。中国政府はこれに激しく反発し、今回の合成写真を利用して、オーストラリアの国際的な立場や信頼度を引き下げる目的があるとみられる。

モリソン首相は、中国政府を「世界的な恥」などの厳しい言葉を使って批判し、謝罪と画像削除を要求した。米国、フランス、ニュージーランドなども趙報道官の行動を批判した。米国は「ニセ情報と脅迫的な外交を組み合わせる中国外交の新たな証拠であり、卑劣だ」と強く批判した。

しかし、中国側は攻撃姿勢をさらに強めた。駐​オーストラリア中国大使館は3日、オーストラリアの政治家は趙報道官のポスターを意図的に誤解し、国内の民族主義を煽っていると主張した。

ロイター通信によると、ウィーチャットはオーストラリアで毎日69万人のアクティブユーザーがいる。9月、ウィーチャットはオーストラリア政府の問い合わせに対して、「外部勢力」が同社のプラットフォームを通じてオーストラリアの世論に介入することを阻止すると表明していた。

オーストラリアと中国の関係は急速に悪化した。中国は大麦、牛肉、ワインに対して反ダンピングによる追徴課税を課し、事実上の輸入枠の大幅削減を行った。

オーストラリア政府は、中国による貿易制裁は、オーストラリアの安全保障、人権、外交政策に対する北京の不満と関係があるとしている。

(翻訳編集・佐渡道世)