大紀元時報

トランプ米大統領、国防権限法案に拒否権行使を表明 「最大の受益者は中国だ」

2020年12月21日 21時00分
米ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校の卒業式で、卒業生らを前に敬礼するドナルド・トランプ大統領=2020年6月13日(Timothy A. Clary/AFP via Getty Images)
米ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校の卒業式で、卒業生らを前に敬礼するドナルド・トランプ大統領=2020年6月13日(Timothy A. Clary/AFP via Getty Images)

米連邦議会両院が12月11日に可決した2021会計年度の国防権限法案(NDAA)をめぐって、トランプ大統領は「中国政府が最大の受益者だ」などの理由を挙げ、拒否権を行使することを明らかにした。

トランプ氏は18日、自身のツイッターに「国防権限法案を拒否する。そうなると中国(中共)は大変不愉快な思いをするだろう。彼らの気に入るものだから。私たちは第230条を終わらせ、国定記念物を保護し、そして遠く離れた不毛の地から軍隊を撤退させるべきだ」と投稿した。

今月初め、国防予算の大枠を定める総額7400億ドルの国防権限法案が議会で審議された際、トランプ氏は、IT企業を訴訟リスクから保護する通信品位法230条を廃止する条項が含まれていなければ、法案が両院を通過したとしても拒否権を行使すると明言していた。

また、トランプ氏はアフガニスタンやイラクでの兵力削減を計画しているが、法案には米軍撤収を阻止する条項が盛り込まれている。トランプ氏は、法案が南北戦争の歴史的人物にちなんだ軍事基地名の変更を義務付けることにも反対している。

ホワイトハウスのケリー・マッケナニー報道官は15日の記者会見で、「トランプ大統領は、米軍の保護に全力を尽くしている。法案の焦点は軍事資金に絞られがちだが、トランプ大統領はほかにも重要な問題を抱えている」と述べた。

際立つハイテク企業の親中反米 「230条の免責保護を撤廃へ」

トランプ氏は13日、「最大の勝者は中国政府だ。拒否権を発動する!」とツイートした。

米大手ハイテク企業が1996年の通信品位法第230条(以下230条)によってコンテンツに対する法的責任を免除されている。しかし、これにより、ハイテク企業は米国内の言論を制限しながら、中国共産党やイランなどからの反米プロパガンダを野放しにできると、トランプ氏と一部の議員は指摘している。

今年の米大統領選の期間中、グーグル(Google)やツイッター(Twitter)、フェイスブック(Facebook)が230条の保護の下、選挙前にはバイデン親子の疑惑に関する報道をブロックし、選挙後は選挙不正を訴えたトランプ氏の投稿に警告ラベルをつけ、拡散を制限している。

ペンシルベニア州のダグ・マストリアーノ上院議員(共和党)が選挙不正に関する公聴会を主宰したため、ツイッターにアカウントを凍結された。トランプ氏は11月27日、ツイッターで「ツイッターはフェイクニュースメディアと協力して真実を弾圧している。これは絶対に許せない。こんなことをするのは共産主義国だけだ!」と批判した。

一方、中国外務省の趙立堅副報道局長が投稿した豪州兵士のニセ画像に警告ラベルをつけていない。

12月1日、フロリダ州選出のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)共和党上院議員は「36時間以上経ったが、ツイッターはまだ画像を削除していない。それは致命的な暴力を引き起す可能性がある画像だ。しかし、ツイッターはトランプ氏のツイートに数分以内に警告ラベルをつけることが多い」とツイッターの偏向的な言論検閲を指摘した。

フロリダ州のマイケル・ウォルツ(Michael Waltz)共和党下院議員は今年5月29日、自身のツイッターに「ツイッターは今、何十万もの中国共産党のプロパガンダアカウントを放置したまま、大統領だけを対象にファクトチェック(事実確認)を行っている。おそらくツイッターが中国共産党のプロパガンダ機関を積極的に助けようとしているからだろう。みっともない!」と書き込んだ。

共和党の重鎮であるリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員は12月14日、FOXニュースの取材に対し、「ソーシャルメディア企業は、世界で最も強力な産業の一つになっている。これらの企業はアメリカ国民の日常生活に大きな影響を与えているため、他の産業にはない特別な保護を享受していたが、その時代はとっくに終わっている。民主・共和両党の間で、230条を改革または廃止する時が来たという共通認識がある」と語った。

法案の行方不透明に 

米議会下院は8日、国防権限法案を賛成335票、反対78票で可決した。上院も11日、賛成84票、反対13票で可決。トランプ氏は10業務日以内に拒否権の発動、法案への署名、署名なしでの法制化のいずれかを選ぶことになる。トランプ大統領が拒否権を行使した場合、議会両院は法案の法制化に向けて、3分の2以上の賛成多数で再び可決する必要がある。

米ヴォックスメディア(Vox Media)などによると、下院共和党のケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)院内総務は、トランプ氏の拒否権の無効化を支持しないと公言している。ランド・ポール(Rand Paul)上院議員(共和党、ケンタッキー州選出)は、アフガニスタン駐留米軍の撤退を遅らせる条項があるため法案の可決を阻止する意向を示した。

また、共和党のマイク・ブラウン(Mike Braun)上院議員(インディアナ州選出)とジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)上院議員(ミズーリ州選出)は、230条が廃止されない場合は法案を支持しないと述べている。

一方、民主党のトゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard)下院議員(ハワイ州選出)は、トランプ氏に「退かないで。我が国の自由と未来がかかっているからだ」と促した。

(翻訳編集・王君宜)

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