大紀元時報

<オピニオン>「2 + 2 = 4」だけではダメなのか? 数学教育に押し寄せる共産主義の波

2021年03月10日 09時48分
教室の入り口(Jazmine Thomas/Shutterstock)
教室の入り口(Jazmine Thomas/Shutterstock)

オレゴン州教育局はこのほど、同州の数学教師を対象とした「公平な数学への道(A Pathway to Equitable Math)」というガイドラインを発表した。この82ページに及ぶガイドラインは、「数学における人種差別の解体」「数学の授業における白人至上主義の解体」について書かれている。

私には少し変に聞こえる。文学や社会科学、歴史などの科目に人種差別が残っているのは分かるが、数学における「白人至上主義」とは何なのか?

ガイドラインには、「教師の日常的な行動が、数学の教室に白人至上主義の文化を浸透させている…例えば、『正しい』答えを得ることに焦点を当てたり、生徒に『問題の解き方(計算など)を書き出す』ことを求めたりすることだ」と書かれている。

では、子供は数学を学ぶ際、間違った答えを求めるべきなのか?正直なところ、私はとても寛容で、人種平等を完全に支持しているが、このガイドラインの意味が理解できない。

ガイドラインによると、教師は「複雑な、競合する、または複数の答えがある問題を選択」し、一つの「正しい」答えに集中するのではなく、生徒たちに「潜在的な解き方を少なくとも2つ見つける」ように教えることになっている。

一体どうやったら数学の問題で2つの答えが出せるのだろうか?数学は純粋に科学的な言語で、明確な論理があり、曖昧な領域がない。数学の美しさはその公正さと客観性にある。数学自体に偏見はなく、正しい答えは肌の色に関係なく真実だ。しかし、オレゴン州のガイドラインによれば、数学の問題の答えが1つしかないと、それは人種差別か白人至上主義になる。奇妙なロジックだ。

ガイドラインは教師に対して、「標準化されたテスト問題で『正しい』答えを得るだけではなく、問題の仮定を明らかにして他の答えも正当化する」訓練をしている。

ネット上のあるコメントにはこう書かれていた。「今後の数学の試験では、『1+1は何か』を問うことはもう出来ない。『1+1の答えかもしれないもの』と『学生の人種』を問う事しかできない。少数派人種の人が3と答えた場合、教師は『非常に独創的で、革命的で、批判的だ。満点をあげよう』とコメントするだろう」

ジョージ・オーウェルのディストピア小説、『1984年』にも「2+2は何か」という有名な数学の問題が登場する。小説の主人公であるウィンストン・スミスが逮捕されて刑務所で洗脳を受けた時、「2+2=5」だと何度も聞かされ、それを声に出して繰り返さなければならなかった。彼は聞かされた通りに言うまで解放されなかった。もちろん、「2+2」が何なのかは重要ではない。重要なのは、「個人が権力に挑戦する事は出来ない」と心から信じさせることだった。よって「2+2」の正しい答えは、「ビッグブラザー(小説に出てくる独裁者)」が言う数字なら何でも正しいのだ。

オレゴン州教育局がこのような提案をしたのは今回が初めてではない。数学の伝統的な表現と教え方が、人種差別と白人至上主義のレッテルを貼られる事は、アメリカの数学界では以前からあった。もちろん数学界全体ではなく、ほんの少数の人によってだ。

例えばCNNは2016年、「数学は人種差別だ:データがいかに不平等を生み出しているか」という見出しの記事を掲載した。

また、「米数学監督者評議会」と「TODOS: Mathematics for ALL」は2017年に共同声明(pdf)を発表した。声明では、「現在の数学教育システムは不公平であり、制度的差別の遺産であることを、数学教師は認識しなければならない」と書かれている。

声明ではまた、標準化されたテストは社会的不公正を生み出すので、学生の民族的背景に応じて調整する必要があるとしている。

さらに、ニューヨーク・ブルックリンにある学校、「Packer Collegiate Institute」も昨年、反人種差別の数学カリキュラムを導入した。

FOXニュースはオレゴン州の同ガイドラインついて報道した。報道によると、「ガイドラインの一部では、『私たちの社会では白人だけが人種差別主義者に成りえる。白人だけが集団としてのその力を持っているからだ』という議論がなされている」という。つまり、ラッキーなことに例えば中国人は「人種差別主義者」には成りえないのだ

しかし、左派はアメリカにいる中国人があまり好きではないようだ。左派は、少数民族がいかに不平等に直面し、差別に抑圧されているかを語るとき、少数民族の所得が低いことを根拠にあげている。しかし中国人はしばしばこの根拠に反している。中国人、そしてアジア人はアメリカでは少数民族だが、彼らの収入は白人と同等かそれ以上で、数学の成績も白人より上だ。

実際、左派にとって人種は単なる道具にすぎない。

FOXニュースの報道によると、ガイドラインの一部は、「私的利益のためのシステムの中で人種差別を解体することはできない」「人種差別を解体したければ、経済的正義のための運動を起こさなければならない」と書かれている。これは資本主義を排除し、社会主義を確立する事を間接的に意味している。

FOXニュースはさらに、ガイドラインには自称社会主義者のハワード・ジン(Howard Zinn)とマルクス主義革命家のチェ・ゲバラ(Che Guevara)が引用されていると指摘した。

アンドレア・ウィドバーグ氏はアメリカン・シンカー誌の最近の記事で、「左派の考えでは、少数派は基礎的な教育水準を達成できないので、『平等』になる唯一の方法は、教育水準を下げるか、完全に廃止する事だ」と述べた。

「彼らは決して人々のレベルを高めようとはしない。常に全員のレベルを下げることで『公平』になろうとする」とウィドバーグ氏は述べた。 

つまり、左翼が行っている事こそが人種差別である。このアプローチで行くと、中国が高いレベルの科学発展を行っている間、アメリカの学生たちは「2+2=4」が正しいかどうかに囚われる事になる。これではアメリカは中国と競争のしようがない。

私の考えでは、これは数学や人種の問題ではなく、共産主義の問題だ。

中国で文化大革命が行われていた1960年代、アインシュタインの相対性理論はマルクス主義と毛沢東思想に合わないとして、批判された。当時の中国では、物理学は「資本家の物理学」と呼ばれ、音楽や美学の好み、そして教育水準は「階級的不平等」の結果だとされていた。科学も「社会階層」の副産物なので、科学には「客観性」がないとされていた。

オレゴン州教育局が「数学は1つの客観的な答えに限定されない」と明言するのは、中国の文化大革命と同じだ。アメリカの左派は「社会階級」を「人種と性別」に置き換えただけだ。

私の意見では、左派のこの動きは混乱と民族紛争を作り出すだけだ。これはまさにマルクス主義と共産主義の目標の一つだ。

共産主義宣言は、「共産主義の目的は、すべての現存する社会システムの転覆によってのみ達成できる」と明言している。

今、アメリカの共産主義者たちは正にこれを実行している。

(文・Alexander Liao / 翻訳編集・大紀元日本ウェブ編集部)

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