創設100周年を祝うオーストラリア空軍

2021/04/01
更新: 2021/04/01

小規模な独立軍種として1921年に改編されたオーストラリア空軍(RAAF)は、有事か平時に関わらず、オーストラリア国家のニーズに対応する即応性を備えた世界最高級の軍隊に発展を遂げた。同空軍が2021年3月31日に創設100年周年を迎える。100周年記念イベントでは、過去数十年の中で最大の儀礼飛行が行われる予定だ。

オーストラリア空軍の予定を示すプログラムには、「この日、オーストラリア空軍は改編100周年を迎える。3月から2021年を通して、過去100年間の犠牲と奉仕の精神を称えるだけでなく、今日の非常に有能な空軍能力をデモし、同空軍の未来に向けた進化の展望を披露するイベントとイニシアチブが実施される。空軍隊員はオーストラリア国防軍の統合部隊に不可欠な一要素である機敏かつ有能な空軍能力を提示する前に、この画期的な歴史を省みて称えるために黙祷する」と記されている。

大戦終結に伴う解散後に再編されたオーストラリア航空軍団という一時的な部隊が、1921年3月31日にオーストラリア空軍として改編された。前部隊の航空機と装備を引き継いだオーストラリア空軍の誕生を、国家はオーストラリア連邦官報(Commonwealth of Australia Gazette)で発表した。その数か月後、国王と総督から「ロイヤル(Royal)」の称号が与えられ、1921年8月13日に正式名称「王立オーストラリア空軍」に改称されたことが公表された。

オーストラリア空軍は英国空軍に次いで世界で2番目に古い歴史を持つ独立空軍である。同軍はブーゲンビル島、カンボジア、インドネシア、パキスタン、パプアニューギニア、ルワンダ、ソロモン諸島、ソマリア、スーダン、東ティモールを含む世界各地の平和維持活動や人道支援で主要な役割を果たしている。700人以上に及ぶオーストラリア空軍隊員が、連合作戦、平和維持、人道支援・災害救援に日々貢献している。 2020年12月、F-35AライトニングIIを運用する飛行隊の戦闘準備が整ったと発表されたが、これも同空軍の歴史的功績の1つである。

リンダ・レイノルズ(Linda Reynolds)豪国防相の発表では、F/A-18Eスーパーホーネット戦闘攻撃機とEA-18Gグラウラー航空機と共に、第5世代F-35A戦闘機はオーストラリア空軍の空中戦能力の鍵となる装備であり、「編成、抑止、対応について2020年に見直された防衛戦略で設定された目標を達成する上で非常に重要な戦闘機となる」。

2021年3月、オーストラリアン・ディフェンス・ビジネス・レビュー誌のアンドリュー・マクラフリン(Andrew McLaughlin)編集長は、オーストラリアAP通信に対して「明らかに重要なこととして、電子戦、指揮統制、システム統合、研究開発に関する新たな能力がオーストラリア空軍に導入され、同空軍とより大規模なADF[オーストラリア国防軍]が単独または大規模な連合の一部として効果的に活動してオーストラリアの利益を保護できるようになったことが挙げられる」と述べている。

100周年を記念して、同空軍は「我らの空軍、我らの隊員(Our Air Force, Our People)」と呼ばれるシリーズを立ち上げた。同シリーズで隊員等は過去100年間における功績の歴史を学ぶことができる。 オーストラリア空軍は、「これらの事例を見ることで現在の当空軍の多様性、および空軍隊員がオーストラリア全土だけでなく、世界各地で日々実証している卓越性と情熱を理解することができる」と述べている。 オーストラリア空軍の歴史の詳細と2021年を通して開催される祝賀イベントの予定については公式サイトに掲載されている。たとえば、オーストラリア空軍の男女隊員の奉仕と犠牲を称える今年のオーストラリア戦争記念館の追悼式典(Last Post Ceremony)は3月30日と31日に開催される。

(Indo-Pacific Defence Forum)

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