マレーシア外相、王毅氏への「兄」発言巡り釈明 独立維持と強調

2021/04/05
更新: 2021/04/05

[クアラルンプール 3日 ロイター] – マレーシアのヒシャムディン外相は3日、中国の王毅・国務委員兼外相を「兄」と呼んだことを巡り国内で批判が出ているのを受け、マレーシアは外交政策の独立性を維持していると強調した。

ヒシャムディン氏は外相就任後初めて中国を訪問し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対応や危機後の協力などで両国の緊密な連携を望む立場を王毅氏に伝えた。

だが、1日の共同記者会見で王毅氏に対し「あなたは私の兄であり続ける」と発言したことを受け、マレーシア国内で物議をかもした。

マレーシアにとって中国は最大の貿易相手国だが、近年は南シナ海情勢などを巡り関係が試されている。

マレーシアではヒシャムディン氏の発言について、世界の超大国に取り入ろうとしているなどとソーシャルメディア上で批判が上がっている。また、野党指導者のアンワル元副首相はヒシャムディン氏に発言の撤回と国民への謝罪を要求した。

アンワル氏は3日、「マレーシアが外国の操り人形であるかのような印象を与えるもので、外交や国際関係の場で使うべき表現ではない」とし、「世界のどの大国にも肩入れしない中立的な国として、ヒシャムディン氏の発言はわが国への明らかな侮辱だ」と厳しく非難した。

これを受けてヒシャムディン氏はツイッターで、王毅氏に敬意を示すために「兄」という表現を用いたのであり、マレーシアと中国の関係を指したものではないと釈明した。

その上で「マレーシアは外交政策において独立性を維持し、原則に基づき実利を重んじている。平和と人間性、公正、平等の価値観の上に成り立っている」と強調した。

Reuters
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