大紀元時報

米、中国企業のブラックリストを拡大 「赤い資産の一掃」目指す=専門家

2021年6月9日 12時01分
2021年4月16日、マンハッタンのニューヨーク証券取引所前に掲げられたウォール街のサイン(ANGELA WEISS/AFP via Getty Images)
2021年4月16日、マンハッタンのニューヨーク証券取引所前に掲げられたウォール街のサイン(ANGELA WEISS/AFP via Getty Images)

米国政府はこのほど、中国の軍事企業数十社への米国人の投資を禁止した。これを受けてアナリストらは、米国は「赤い資産」を一掃する準備をしていると見ている。

バイデン大統領は6月3日、中国の防衛・監視技術企業59社をブラックリストに載せる大統領令に署名した。「中国の軍民複合体がもたらす脅威」に対処するための同措置は、合計44社を対象としたトランプ政権のリストを拡大したもので、8月2日に発効する。

台湾国防安全研究院で国防戦略・資源と産業研究所所長を務める蘇紫雲氏は大紀元に対して、「これは赤い資産を一掃することで、米国の資本と資産を浄化している」と語った。

また、ワシントンにある情報戦略研究所の中国アナリスト、李恒青氏は、この決定は中国に対してより対決的なアプローチをとる米政府の姿勢を反映していると述べた。

李氏は大紀元に対して、「米国が立てた国家戦略は、本格的な競争を行うことだ。これは1つの側面だけでなく、あらゆる面での競争だ」

米政府内では現在、対中強硬政策において超党派は珍しく意見が一致している。上下両院で、中国政府の経済的強制力と人権侵害を阻止するための包括的法案を推し進めている。

米国のインド太平洋調整官、カート・キャンベル氏も最近、「包容政策と言われていた時代は終わった」と発言し、一部の専門家はこれを、中国共産党に対する国際世論の変化を示すものだと解釈している。

「両国は現在、対立関係にある。ライバルにお金を投資して増強させ、自国に対抗できるようにすることはない。これは非常にシンプルな原則だ」と李氏は話す。

今回の禁止措置の対象には、監視機器会社のハイクビジョン、通信機器メーカーのファーウェイ、中国最大の半導体製造会社であるSMIC、さらに中国の国営通信会社3社全てが含まれている。ハイクビジョンは以前から、新疆ウイグル自治区の人権侵害に使われていると指摘されていた。

2019年5月24日、北京の家電モールにあるハイクビジョンのカメラ(Fred Dufour/AFP via Getty Images)

米政府高官は6月3日に記者団に対し、「今後数カ月のうちに」リストに新たな企業が追加される可能性が高いと述べた。

米政府のデータによると、2021年5月時点で、248社もの中国企業が米国の主要証券取引所で取引しており、その時価総額は2兆1000億ドルに上る。

これらの企業がウォール街で資金を調達できなくなった場合、彼らの選択肢の一つは、いまだに世界の5大証券取引所の一つと数えられている香港証券取引所に移ることだと李氏は話す。しかし、そのチャンスも徐々になくなってきている。投資家たちは中国政府の統制強化を受けて香港から逃げ出しており、香港は中国本土との区別がつかなくなっている。

中国政府や軍と関係のある企業を米国市場から排除することは簡単ではないが、中国が完全に民主化されないかぎり、それは避けられないことだと李氏は述べた。

彼は、「軍民融合」と呼ばれる中国共産党の攻撃的な国家戦略に触れ、「中国は民間企業を一夜にして軍事企業に変えることができる」と述べた。

それは、中国の巨大eコマース企業、アリババの運命を見れば分かると同氏は話す。

アリババは、創業者のジャック・マー氏が中国の金融規制当局を公に批判したことで中国政府と対立して以来、次々と罰を受けている。マー氏は何カ月も姿を消し、最近では同社は182億元(約3100億円)という記録的な罰金を科されているが、それに対して「感謝と敬意」を表明した。

「マー氏の背後に強力な支援があったとしても、わずか4カ月でアリババは国営企業になろうとしている。彼は追い詰められて逃げ場を無くした」と李氏は述べた。

中国外交部の汪文斌(おう ぶんひん)報道官は6月4日の記者会見で、米国政府を「国家の安全装置を濫用し、中国企業を恣意的に抑圧し、制限している」と非難し、「必要な措置を講じる」と述べた。

李氏によると、汪報道官の発言は中国のメンツを維持するためのものだという。「これらはすべて中国人のためのショーだ」と彼は話した。

蘇氏は、汪報道官の発言は、過去の中国政府の反応と変わらないと述べた。「だから、中国外務省はレコードプレーヤーのように同じ事を繰り返している」

蘇氏はまた、中国のスパイ活動の脅威は米国や他の西側諸国で「明確かつ十分に立証されている」と指摘した。

「中国外務省の大げさな言葉による抗議は、自分の立場に自信がないからだと考えられる」と彼は述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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