大紀元時報

米露首脳会談、専門家「中国当局が圧力感じている」

2021年6月21日 22時42分
2021年6月15日、米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領はスイスで首脳会談を行った(DENIS BALIBOUSE/POOL/AFP via Getty Images)
2021年6月15日、米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領はスイスで首脳会談を行った(DENIS BALIBOUSE/POOL/AFP via Getty Images)

米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領は16日、スイスで初めての首脳会談を行った。専門家は、中国当局は米露の接近に不安を感じていると指摘した。

両首脳の直接会談は、米国はテクノロジー、軍事的侵略、人権など各分野で中国との対抗姿勢を強めている中で行われた。

ロシアに接近

米露首脳会談に先立って行われたG7サミットやNATO、EUとの会談で、米国は中国の話題で持ちきりだった。ロシアを抑え込んで中国との対決に集中することは米国の明確な目的であり、進展の兆しが見られると、台湾在住のマクロ経済学者、呉嘉龍(ウー・チャロン)氏は言う。

呉嘉隆氏は17日大紀元とのインタビューで、今回の米露首脳会議について、2つの出来事に着目した。

同氏は、首脳会議の前にプーチン大統領は、同じく米国に対抗姿勢を示している中国の習近平国家主席と会談しなかったことに注目した。数週間前、中国は外交トップである楊潔篪・共産党中央政治局委員をモスクワに派遣したが、プーチンは電話でしか話さなかった。

また、呉氏は、プーチン大統領には会議に遅刻する癖があったが、今回の首脳会談には、時間を守って出席したと指摘した。

「この2つのことから、バイデン氏とプーチン大統領は会議前に、何らかの合意を得た可能性が高い」

呉氏は、バイデン氏はプーチン大統領との直接会談を通じて、「国際社会、特にドイツやフランス、イタリアなどの欧州各国にメッセージを送った」との見方を示した。

「一つは、同盟国とともに、中国と対抗していくことだ。もう一つは、ロシアが対中包囲網に参加しなくても、中立的な立場を取ってほしいということだ」

バイデン政権は5月、ロシアがドイツまでの天然ガス輸送パイプライン、「ノルド・ストリーム2」の事業会社に対する制裁措置を解除した。

呉氏は、ドイツや欧州各国は今後、ロシアから天然ガスを購入できるため、欧州とロシアの関係がさらに緊密になると予測している。この動きは「中国への対抗姿勢を鮮明にした米バイデン政権にとって良い兆しである」と呉氏はみている。米側はロシアを「反中連合」から排除したくないからだ。

台湾シンクタンク、国防安全研究院の陳亮智・副研究員は、米露首脳会議において、プーチン大統領は対中にも、対米にも慎重的だったとの見解を示した。

プーチン大統領は、首脳会談に先だって、米NBC放送のインタビューを受けた。その際、大統領は中国軍による台湾侵攻の可能性について質問を受けた。大統領は「その問題についてコメントできない」「政治には仮定法がない」と明言を避けた。

陳氏は、「台湾問題に関して、プーチン大統領は米国に歩調を合わせようとしなかった。一方、中国当局への支持も表明したくない」と述べた。

同氏は、将来の国際情勢は、単に米中間の対立ではなく、民主主義国家と全体主義国家との対立になると指摘した。現在、米国は中国当局と対立関係にありながら、ロシアとも競争している。

しかし、「現状では、米国にとって、中国当局の脅威はロシアの脅威より大きい。いっぽう、欧州各国からしてみれば、ロシアは地理的に近いため、中国当局よりもロシアの脅威が大きい。だから、中国への対抗において、米国と欧州各国には温度差がある」

中国当局の反応

中国当局は、米露首脳会談に比較的に穏やかな反応を示している。

13日に発表された主要7カ国首脳会談(G7サミット)の首脳宣言は、台湾問題や新疆ウイグル人の人権問題をめぐって中国当局を批判した。 14日に開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議でも、中国当局の軍事的脅威に強い懸念を示した。

これを受けて、中国外務省は、「中国の主権に対する乱暴な干渉であり、中国は強く非難する」「わざと中国に泥を塗った」「アメリカは重病だ」などと語気を荒げて反発した。

その一方で、中国外務省の趙立堅報道官は17日、米露首脳会談について、「中国側は、米露双方が戦略的かつ安定的な対話を行うことで意見一致したことを歓迎する」と好意的だった。

しかし、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は18日、「バイデン氏は、中ロ関係をぶち壊そうとした」「米国によるロシアへの脅かしと圧力は事実である」などと批判を展開した。

呉嘉隆氏は、中国当局の反応について、習近平国家主席が「愛される共産党のイメージづくり」を指示したことに関係すると指摘した。

「外務省が今までの戦狼スタイルを止めたのは、国際社会の中国当局への反感が一段と高まるのを恐れたためだ。特に、今新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの国が米国に同調して、中国当局を非難している。しかし、中国当局は、米国などに対して態度を軟化すれば国内から批判の声が上がり、国際社会において共産党のメンツも保てなくなると認識している」

陳亮智氏は、「国際社会の批判の声が高まれば高まるほど、中国当局にとって不利になるだろう」と語った。

呉氏は、中国当局は、米国が主導する反中連合に対抗して、ロシアを含む他の国と協力して反米連合を形成する意図があるとした。

両氏は、米露の接近に中国当局はプレシャーを感じているに違いないとの見方に一致した。

(翻訳編集・張哲)
 

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